世界のスポーツ界で活躍した個人、団体に贈られる「ローレウス・スポーツ賞」。

2000年に表彰を開始した「スポーツ界のアカデミー賞」の候補に、コロナ下でアピール機会を失った学生アスリートを支援する活動「#スポーツを止めるな」がノミネートされた。

ノミネート部門は、最も感動的なスポーツの瞬間を表彰する「ローレウス・スポーティング・モーメント部門」。日本からはテニスの大坂なおみ(年間最優秀女子選手部門)、バドミントンの桃田賢斗(年間最優秀復活選手部門)も候補に入っている。

「#スポーツを止めるな」は2020年のコロナ禍を契機に活動を始め、オンラインのプレーアピールシステムを開発するなど、豊富なアイデア、実行力で学生アスリートを支援してきた。以下が主な活動だ。

◎選手が安全にアピールできるオンラインプラットフォーム「Hands Up」

◎部活動の試合動画にトップ選手が解説を付けて思い出づくりをサポートする「青春の宝」プロジェクト

◎女子学生アスリートが抱える課題「生理×スポーツ」を支援する教育/情報発信活動「1252プロジェクト」

「ローレウス・スポーティング・モーメント部門」だけはオンラインの一般投票で受賞者が決まり、締め切りは4月30日(土曜日)に迫る。

日本では05年に柔道男子の野村忠宏が初めてノミネートされ、初受賞は19年の大坂なおみ(年間最優秀成長選手賞)。団体では11年にサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が候補に入ったが受賞を逃した。

今回「♯スポーツを止めるな」が受賞すれば、団体としては日本初の快挙。

日本発の活動を世界に広げ、日本スポーツ界のプレゼンスを世界で高めたいところ。国内外で認知度がさらに高まれば、より多くの学生をサポートする事にも繋がるはずだ。

※「ローレウス・スポーティング・モーメント部門」の一般投票はこちらから

元ラグビー南アフリカ代表ブライアン・ハバナ氏と、「スポーツを止めるな」共同代表理事を務める廣瀬俊朗(元ラグビー日本代表)の対談イベント。(画像提供:(一社)スポーツを止めるな)
元ラグビー南アフリカ代表ブライアン・ハバナ氏と、「スポーツを止めるな」共同代表理事を務める廣瀬俊朗(元ラグビー日本代表)の対談イベント。(画像提供:(一社)スポーツを止めるな)

4月26日には、一般社団法人「スポーツを止めるな」の共同代表理事である廣瀬俊朗氏(元ラグビー日本代表キャプテン)と、ローレウス・アカデミーメンバーのブライアン・ハバナ氏(元ラグビー南アフリカ代表)のオンライン対談イベントが行われた。

活動紹介や社会貢献に関するディスカッションのほか、「#スポーツを止めるな」のプロジェクトに参加している函館ラサール高の志賀申之介さん、追手門学院高の松下小雪さん、慶應義塾高の藤田祥平さんも加わり、南アフリカ、日本のラグビースターに質問をぶつけた。

ラグビーW杯3大会(07、11、15年)で大会通算最多15トライを記録している名ウイング、ブライアン・ハバナ氏は「#スポーツを止めるな」の活動について、「素晴らしい。私も似た活動をしているので、どれだけ大変なことかはわかっています」と述べた。

「私たちは今、逆境に直面していますが『#スポーツを止めるな 』のプラットフォームは、若い人にとって強力なツールになると思います」

イベントの最後、スポーツやトップアスリートの価値、可能性に関する質問で、共同代表理事の廣瀬氏がこう述べた。

「アスリートは訴求力が高く、子供達に対して『こんなことを大事にしている』と言えば『なるほどやってみよう』となるのかなと」

「あとは、アスリートはたくさん失敗しながら成長しており、上手くいかないことでもやり続ける姿を見せることも大事だと思います」

トップアスリートのみならず、コロナ下で社会の大人達がどんな行動、対応をするのかを、子供達は見て、感じているだろう。

「♯スポーツを止めるな」活動の大きな価値のひとつは、大人が「頼もしい大人」の姿を見せている点にあると感じている。

コロナ禍にひるまず、アイデアや実行力で子供達を支援し、むしろ好機と捉えて社会をポジティブに変えていこうとしている。コロナ禍にひるまなかった日本スポーツ界の大人達の活動が、今回ローレウス賞候補入りという形で世界で評価されたことが嬉しい。