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2024年度予算政府案の歳出総額は、増えたのだか減ったのだか・・・

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
2024年度における国の一般会計予算政府案は、歳出総額が112兆円だが…(写真:イメージマート)

2024年度の国の一般会計予算政府案は、歳出総額が112兆0717億円となっている。

これは、2023年度の国の当初予算における一般会計の歳出総額114兆3812億円よりも2兆3095億円少ない。だから、2024年度の予算案は、2023年度よりも歳出を減らしたように見える。

しかし、2023年度の歳出総額には、イレギュラーなものが含まれている。それは、予算に計上されながら2023年度中には使用しない防衛力強化資金への繰入れ3兆3806億円である。

これは、防衛力強化資金という後年度の防衛費のために備えておく「財布」に防衛財源を確保しておくものである。2023年度の予算には計上されているが、2023年度中に支出することを想定していないものである。

これを差し引いて比較可能な形にすると、2023年度当初予算での歳出総額は111兆0006億円となる。

これと、2024年度の予算政府案における一般会計歳出総額112兆0717億円と比較すると、2023年度当初予算より1兆0711億円増えている。

つまり、2024年度予算政府案における一般会計歳出総額は、2023年度と比べて、事実上増えているといえる・・・のだろうか。

もぅ少し精査すると、実態が見えてくる。というのは、

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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