消費減税論議の情勢分析、第1弾の「3月19日朝現在」第2弾の「4月16日朝現在」に続く第3弾。

わが国での消費減税は、5月27日に閣議決定された2020年度第2次補正予算案にも盛り込まれなかったことで、論議が下火になりかけた。

しかし、第2次補正予算案が審議される過程で、第1次補正予算に盛り込まれた持続化給付金(拙稿「緊急経済対策に伴う補正予算はどうなった」を参照)の再委託問題で紛糾し、給付金の支給の遅れが取り沙汰されると、給付では遅いから消費減税の方がよいという声が息を吹き返した。

そうした中、6月3日にドイツのメルケル政権が、日本の消費税に相当する付加価値税の税率を今年7月から12月末までの半年間、引き下げると発表した(6月12日に閣議決定)。標準税率を19%から16%に引き下げ、軽減税率を7%から5%に引き下げる。減税規模は200億ユーロ(約2.5兆円)という。

健全財政路線をとるドイツで消費減税というニュースは、わが国でにわかに注目を集めた。ただ、拙稿「ドイツが『消費税率3%下げ』に踏み切る意味」で詳述しているように、この消費減税の意図は、健全財政路線を放棄したのではなく、2012年以降8年連続で財政黒字を出し続けていたドイツで、政府債務残高の削減を続けて将来の増税を回避する形で恩恵を還元していたのに対し、現世代への還元策として減税を行おうというものといえる。

結局、第2次補正予算案は、その審議過程で消費減税という対案が大きく取り沙汰されることなく、6月12日に可決、成立した。第2次補正予算は、拙稿「第2次補正予算で、またもや記録破りの・・・」の通り、何かと新記録尽くしだった。

ただ、第2次補正予算には10兆円もの予備費が計上されている。その使途は、今後政府が決める。しかも、事前の国会の議決は不要である。

ならば、消費減税にその財源が使えるかもしれない。消費税の標準税率を10%から8%に引き下げるのに必要な財源は4.1兆円(筆者推計、財源という意味は、税率引下げに伴う減収額)。予備費の枠内に収まる。

ということは、消費減税が今後