Yahoo!ニュース

【FIBAバスケットWC】ボビー・ポーティス「ケミストリーと仲間意識が構築できている」

青木崇Basketball Writer
28歳ながらNBA経験値でチームのベテランとなるポーティス (C)FIBA

 ヨルダンとのグループリーグ最終戦で、アメリカは111対62で大勝し、3連勝で2次ラウンド進出を決めた。20代前半の選手が多いチームの中で、ミルウォーキー・バックスのボビー・ポーティスは28歳ながら最年長。しかし、2021年にNBAタイトルを獲得するなど、アメリカ代表のチームメイトに比べると多くの出来事を経験している選手だ。ヨルダン戦で13点、6リバウンドを記録した後、ポーティスが取材エリアで話した内容をここで紹介する。

Q 試合を重ねるごとに、その役割が少しずつ大きくなっているように感じています。ケミストリーはキャンプ初日からよかったようですが、それがどんどん良くなっているように思えます。試合に勝ち続けているときでも、成長し続ける方法を見つけることはとても重要なことですか?

「もちろん。このようなトーナメントに出場するときは、いいスタートを切りたいものだ。初日は初戦ということもあって少し苦戦したかもしれないが、チームが本当に一体となること、バスケットボールを動かし、威厳と自信を持ってプレーできるようになっていると思う。ディフェンスで止めて、リバウンドを奪い、そこから走ってトランジションゲームに入るんだ。このチームには万能な選手がたくさんいるし、実際にいいプレーできる選手ばかりなんだ。カーコーチの仕事は、勝つためにだれがコートに立つかを見極めるという点で大変だろうけど、それはいい意味での問題だと思っている」

Q 今日のヨルダン戦を迎える前に2次ラウンドに進出が決まっていたわけですが、そんな状況でも集中力は高かったです。金曜日に(モンテネグロのニコラ)ブチェビッチと対戦するという想定はまったくなかったわけですか?

「1日1日を大切にしなければならない。スポーツでは高ぶり過ぎも落ち込み過ぎてもダメ。バスケットボールは間違いなくチームスポーツ。コートに出て試合に勝つことに集中すること、1日1日を大切に過ごすんだ。1日の終わりには青写真を描くことができる。チームのことを考えると、自分たちは選手同士でしっかりつながっていると思う。この2〜3週間、自分たちは一つのユニットとして成長してきたし、チームメイトと一緒に過ごしながら、コート外でもケミストリーと仲間意識を築き、お互いのことを知ることができた。もちろん、NBAではそれぞれのチームでプレーしている。でも、こういったトーナメントに出るときこそ、ケミストリーの構築が始まるときだと思う。アウェーに出たとき、ホテルに行ったとき、散策に出たとき、食事に出かけたとき、そういった雰囲気を作り出しながら、つながりを見付け出すんだ」

Q これまでの試合で着実に前進しているわけですが、少し難しいと感じる挑戦に直面するほうが、むしろ次の試合への準備になると思いますか?

「どの試合もタフだ。相手がだれであろうと、1日1日を大切に過ごさなければならない。ヨルダンだろうが、ニュージーランドだろうが、相手がだれであろうと関係ない。先のことを考え過ぎちゃダメなんだ。ワールドカップではどの試合もタフな試合になるとわかっている。NBAのように48分間の試合ではないし、メディアタイムアウトもない。試合が始まったら(クォーターの)残り1分しかないと感じることなんて普通だし、タイムアウトもデッドボールもないようなものだ。どの試合もすべてのポゼッションが重要なんだ。とにかく1日1日を大切に過ごすことが大事だ」

Q 対戦相手の彼らからすればワールドカップの決勝戦のようであり、アメリカに勝つことが非常に大きな意味を持つという認識はありますか?

「自分たちはそれを尊重してきたし、過去20〜30年間もそうしてきたと思う。それ自体が敬意というものなんだ。夜に十分な睡眠をとった後の彼らが、コートに出て試合に勝ちたいと思うことに対して尊重している。他の国から尊敬の念を抱かれることは、とてもクールなことだと思う。でも、それは当然のごとく、大きな責任を負うことにもなる。それを感じながらプレーし続け、勝たなければならないんだ」

Q 金メダルへの道のりはまだまだ長いと思いますが、キャンプ初日からチームとしてどのくらい進歩していると感じていますか?

「いい感じで進んでいる。ケミストリーと仲間意識が構築されてきているおかげで、多くの選手たちが日々成長している。ラスベガスで最初のミーティングが8月2日で、今日が8月30日。これまで28日間みんなと一緒に過ごしてきたけど、(決勝まで)あと10日間続くことを願っている」

Q NBAとFIBAのゲームには大きな違いがあると思います。FIBAのゲームであなたが気に入っている部分はどこですか?

「フィジカルなところが気に入っている。フロップしてバタバタと倒れたり、それが要因でファウルトラブルに巻き込まれることが少ない。そういうところが好きなんだ。FIBAのゲームはファウルが少ないし、そのおかげで自分らしいプレーができる。バスケットボールはそうあるべきだ」

Q メンタルの部分が重要なわけですか?

「時にはファウルを吹かれるかもしれないけど、それに対する文句はないよ。次のポゼッションで相手を止められるように、ディフェンスをしっかりやるだけだ」

試合後にヨルダンの元NBA選手、ホリス=ジェファーソンとハグをして称えあったポーティス (C)FIBA
試合後にヨルダンの元NBA選手、ホリス=ジェファーソンとハグをして称えあったポーティス (C)FIBA

Q 試合後に(元NBA選手でヨルダン代表の)ロンデー・ホリス=ジェファーソンとはどんな話をしたのですか?

「僕にとって彼はブラザーだ。9年生(中学3年生)の時からの知り合いで、2013年に高校卒業という同期。彼とはマクドナルドのオールアメリカンチームでも、ナイキフープサミットのチームでも一緒にプレーしたんだ。同じ年にNBAからドラフトされている。彼とは約15年の付き合いになる。14歳くらいで知り合い、今は2人とも28歳。一緒に成長する仲間がNBAにいるというのは、やはり楽しい。バスケットボールは家族なんだ。NBAでプレーする仲間を見渡すと、7、8歳のときから対戦した選手もいる。彼らの名前をあげればきりがない。ジャバリ・パーカー(この夏スペインのバルセロナと契約)、ジュリアス・ランドル(ニューヨーク・ニックス)、アーロン・ゴードン(デンバー・ナゲッツ)がそうだ。子どものころからプレーしてきた選手たちだ。自分たちが成長し、結婚し、家庭を築き、いろいろ経験したことを見られるのはうれしいものだ」

Q ロンデーがNBAに戻ってくる可能性はあると思いますか?

「彼には間違いなくチャンスがある。さっき彼に言ったんだ。“逆境に立ち向かい、困難に立ち向かうことが人生だ”とね。僕の仲間たちはそうしてきたと思う。NBAから遠ざかっていたけど、あきらめずに努力してきたからこそ彼のプレーはレベルアップしたし、多くの人が注目し始めていると思う。昨年、デニス・シュルーダーが(肩の故障から)NBAに復帰したことを僕は知っているから、彼にもそうなってほしいから応援するよ。ロンデーは自分の生涯におけるブラザーだからね」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

青木崇の最近の記事