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【NIKE AACレポート】川島悠翔:「小さくなって感じたこと、やられて嫌なことをやっていきたい」

青木崇Basketball Writer
日本で経験できない高さと強さを経験できた川島 (C)Takashi Aoki

 14歳の誕生日を迎える前に初めてダンクを成功させるなど、中学2年生で192cmという身長が魅力の川島悠翔(群馬大附属中)。NIKE ALL ASIA CAMPでは身体の線が細いこともあり、フィジカルの面で苦戦を強いられた。度重なるぶつかり合いによる痛みやスキル不足の部分を実感しながらも、日本で経験できないとサイズやハイレベルの中で、一生懸命やり続けることで何かを学ぼうとしていたのは確か。身長がまだまだ伸びる可能性を秘めているだけに、将来が楽しみな選手なのはまちがいない。

Q キャンプに参加して驚かされたことは何ですか?

「周りの選手が僕よりも大きいということと、みんな上手でフィジカルもあって、コーチの教え方も日本と違う。それをみんな理解して、それについて行ってちゃんと試合で活用できているところが驚きました」

Q フィジカルの部分は日本で体験できなかったわけですが、自分なりに感じたことはありますか?

「ただ筋肉がついているだけではなく、体幹とかもあって、軸がしっかりしている選手が多いです。日本だとそういったぶつかり合いを避けるようなバスケをしていたので、あまりフィジカルを意識できなかったというか、体験できなかったです。今は成長している時期なので、あまり筋肉を鍛えられないですけど、体幹トレーニングをしっかりやっていこうと思います」

Q 今話したことを踏まえて、他の国の選手と一緒にやってみて感じた違いは何ですか?

「チェンジ・オブ・ペースというか、スピードが違うのと、オーストラリアやフィリピンの選手はすごくうまくて、迫力のあるプレーをしていました。身体の使い方も上手ですし、中国人の選手はみんな大きいし、ドリブルが強いなと。突いている音を聞いていてもすごく強いドリブルをしていたので、少しビックリしました」

Q 自分でも通用すると思えたところはありましたか?

「外からのシュート、3Pとかができたかなと思いました。ドライブに行こうとしても、フィジカルやスピードで負けたりしていたのであまり行けなかったんですけど、外から打つことはできたかなと思います」

Q ドライブがうまく行かなかったということで、今後どんなことをやっていく必要があると感じましたか?

「まずは、ドリブルを強くしっかり突くことです。スピードのチェンジ・オブ・ペースとか、フェイクの種類ややり方、タイミングをちゃんと見て、もっとうまく(ディフェンスを)抜ける感じにできればと思います」

試合でブロックショットを試みる川島。垂直跳びの最高到達点で320cmを計測 (C)NIKE BASKETBALL
試合でブロックショットを試みる川島。垂直跳びの最高到達点で320cmを計測 (C)NIKE BASKETBALL

Q キャンプでは、スモールフォワードのポジション・ドリルをやりました。印象に残っていることや、これはやってよかったと思えることはありましたか?

「抜いた後にヘルプが来たら、どう対応するかをやってよかったです。ディフェンスのヘルプと対面した時にどうやって抜くか、この状況であればパスを選択をするといった判断の練習が役に立ったと思います」

Q 一つのドリルでも試合を常に意識してやっていることが日本とは違うと強く感じたのでは?

「ゲームライク、そこを意識しろと言われました」

Q キャンプで見つかった課題や得たものは何ですか?

「課題はもらい方があまりうまくなかったので、ボールを手にできなかったことが何回もあったり、速攻でも走るポジションが悪くて仲間のじゃまになってしまったことがあったので、そういったところは直していきたいです。僕は毎回ボールをもらうと止まってジャブステップとかしてから動く感じだったんですけど、もらった瞬間に一発で抜くスキル、相手を引きつけてから自分の仲間にパスをして生かすようなプレーが学べたと思います」

Q 試合ではパワーフォワードをやっていました。自分よりも大きな選手を相手にする機会は日本でなかったと思いますが…?

「ないですね。自分が小さい立場にいると、こういったことをされたら嫌だな、こんなことをされたら(止めるのが)無理だなと思うプレーとかもありました。日本に戻ったら僕はそういった立場になるので、小さくなって感じたこと、やられて嫌なことをやっていきたいなと思います」

Q 最後に、カイル・クーズマ(ロサンジェルス・レイカーズ)と1対1ができたことの感想を話してもらえますか?

「NBA選手と初めて会ったので、とてもうれしいですし、クーズマを見て僕もあのような立場、あのような場所に立てたらいいなと思いました」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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