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<ガンバ大阪U-23>藤枝MYFCを下し、ホーム3連勝!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

前節、無得点で引き分けに終わったガンバ大阪U-23。今節の藤枝MYFC戦も序盤こそ相手にペースを握られ、受けに回る展開になったが、徐々に盛り返すと、24分にFW一美和成が、26分にMF食野亮太郎が立て続けにゴールを奪い、前半を折り返す。後半もやや運動量が落ち、守勢にまわった時間帯もあったもののGK鈴木椋大の好セーブにも助けられ盛り返すと、さらに2点を加え4−0に。終盤、セットプレーから1点を失ったものの、今季最多得点でホーム3連勝を飾った。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖U-23監督

立ち上がり相手のプレッシャー、プレッシングのところで少しハマったというか、それを受けて少しボールを前に運べない時間もありましたが、15分を過ぎてからそれに慣れ、しっかりボールを動かすことができるようになり、サイドで高い位置をとれるようになりました。得点に関しても、狙いとする形から生まれたと思います。ただ、前半3点目がとれる中でとれなかったのは後半への反省点として後半に臨みました。そういう中でピンチもありましたが、GKが試合を引き締めてくれて3点目をしっかり取れて、4点目に関しても素晴らしいシュートだったと思います。その、シュートの意識については今週ずっとトレーニングでやってきたことで、その成果が出たのかなと思います。1点取られたのは次の試合に向けて反省点ですが、ホームで結果が出ているという部分は続けていきたいと思います。

ー今季最多得点での勝利になりました。前半からお互いを活かし合う攻撃ができていたように思います。前節、無得点に終わった中で攻撃の部分で強調したことを教えてください。

前節の反省から、選手の組み合わせや立ち位置、システムを考えて…慎也(矢島慎也)が出ると決まったのは正直、昨日でしたが、どういう形でそれぞれの良さを出せるかを考えた中で、スタートしました。慎也には、右の少し低い位置から前にでていくという良さだったり、右サイドの質の高さを出して欲しいと伝えていた中でそういう部分をみせてくれて2点目に繋がったと思います。右サイドで慎也と勇人(森勇人)と陸(松田陸)がいい関係性を作ろうと、また、逆サイドでもオム(山口竜弥)と亮太郎(食野亮太郎)と麗央(高江麗央)でいい関係性を作ろうということは言っていました。それほど数多くなかったですが、いいコンビネーションを…前も亮太郎と勇人がしっかり追うことで相手を混乱させたところもあると思いますし、そういう中で麗央や慎也が絡んで行くといういいバランスが出ていたと思います。後半もまあまあそれは良かったと思います。

ー松田陸選手を前節から右サイドバックで起用しています。彼に右サイドで期待すること。役割として求めていることを教えてください。

右サイドバックで、攻守における1:1のところでも…守備でも相手の22番にさらされながらしっかり守るというところは、高卒ルーキーとしては難しい状況だったかもしれませんが、しっかり対応してくれていましたし、試合を重ねるごとに守備も見せてくれていると思うので、あとは攻めに入った時の、最後のフィニッシュ、仕上げのクロスの質を求めていきたいと思っています。右サイドバックとしてもっともっと成長していってもらわなきゃいけないし、本人にもそこを求めて今シーズンを戦っていってもらいたいと思っています。

ー先日森勇人選手がトップでデビューするなど、U-23のメンバーがトップに近づいている状況があります。それもあってかピッチからもアピールの気持ちが伺えますが、監督の目にはどう映っていますか。

連戦になる中で、レヴィ(レヴィ・クルピ監督)自身もチャンスがあるといってますし、実際に突然チャンスあるということで…例えば亮太郎が開幕戦で2点取ったあとにすぐにトップチームの方の練習試合に抜擢されたりっていうのがあるので、選手たちも試合のパフォーマンスが評価につながっているということを意識してやれるのは、J3の結果にもうまく反映できている部分は間違いなくあると思います。それはこのセカンドチームの良さだと思いますし、プラス、トップの選手とゲーム形式のトレーニングをしながら鍛えられている部分もあるのかな、と。ここで出せたパフォーマンスをより試合の中で出して成長につなげていってもらいたいと思っています。

ー日頃トップと紅白戦をやっていることで、基準が高いレベルにおけていることも結果に出ているところもありますか?

昨年と全く環境が違う中でやれているので、トップとやる中で相手を上回れた時には自信もつくでしょうし、パワーだったり、プレッシャーの早さにも自然と慣れているところもあると思うので、これからの試合の中でももっといろんなことができる選手が出て来るでしょうし、それが今日のように4点取れるようなゲームにもつながっているとは思います。ただ、もっと点は取れると思っていますし、ゼロでおさえなきゃいけないし、チャンスを作る、ピンチを減らすようにやっていかなければいけないと思っています。

●DF松田陸

(右サイドバックで、どんなことを意識してプレーしていますか?)運動量で上下にいっぱい動いて、守備でも攻撃でも参加することが自分の特徴だし、そこは目指しました。(立ち上がりなかなか高い位置がとれずに押し込まれた)サイドに張っているところに展開されて、最初は戸惑ったというかどう対応すればわからなかったんですが、少しずつチームに指示を出しながら、自分もいきやすいように動けるようになったので、そこは修正できて良かったです。(センターバックを高校時代にやってきて、サイドバックをやるというのは?)プロに行く時点でサイドバックで獲得するということは言われていましたし、自分としてもサイドバックで練習会にも出て、サイドバックで獲得してもらったと思っているので、前向きに取り組めています。僕自身は以前から攻撃が好きだし、実際に昔は攻撃のポジションをしていたので、攻撃でより多く絡めるサイドバックは楽しいです。(今のシステムではサイドバックが高い位置をとれる。サイドハーフとのバランスも徐々にとれてきていますね?)そうですね。ボランチからとか、センターバックから、とかロングボールでサイドチェンジとか、いつでも狙っているし、そのためのポジショニングは気をつけています。

●GK鈴木椋太

フィールドのみんなが頑張って走ってくれたので、僕は飛んでくるシュートをなるべく止めようと…それが仕事なので。あの1失点があったので気持ち悪いですし(苦笑)、あれをクリーンシートで抑えないと…でも越ゆは4点取ってくれたフィールドに助けられました。(立ち上がりはやや押し込まれました)今日は相手が前からくるというのはスカウティングでわかっていたんですけど、もうちょっといなしてというか…相手は前から来るけど、スペースはたくさんあっただけに、そのスペースをうまくつければ逆にこっちがボールをもてたのかな、と思いますが、立ち上がりに失点したくないし、そこでやられると流れがとられるからというのもあり、最初はシンプルにプレーして、その上で裏返して、っていうところを明確にやれたのが良かったとは思います。でも自分としてはもう少しつなぎたいというか、つなげるところはもうちょっとみんなが顔を出してつなげたら、とは思います。そうすれば、みんなうまいのでボールは持てると思うし、蹴ってフィフティフィフティになるよりは、しっかりボールをもてた方がもっと楽に試合を運べるようになるんじゃないかと思います。(このステージで自分はどういうことをテーマに据えて臨んでいるところはありますか?)僕を含めて、ここに出ている選手の誰もがここで終わるつもりはないというか。J3で一生懸命戦っている人たちには申し訳ないけど、ここをステップアップにというか、ここで活躍してJ1で出るのがいちばん狙っているところなので。だからこそ、僕もここで満足することはないし、今日は何本か止めましたけど、J1の選手ならもっとうまいだろうなっていうのもあるので、そういった意味ではもうちょっと自分も含めて個々が意識を…ここで勝っているからいい、ということじゃなくてもっと1つ1つの意識を突き詰めてやらなくちゃなっていうのは思っています。

●MF高宇洋

(ゴールについて)あのシーンでは高いポジションをとってゴールできたらいいなと思ったらきたので、決められて良かったです。この前の試合の方が簡単なシュートチャンスだったのに2本外していましたし、今週はツネさん(宮本恒靖監督)にミドルシュートの練習を入れてもらってアドバイスしてもらいながらやっていたので、いい感じで決められて嬉しかったです。(攻撃でも連動して押し込まれた時間はしっかり耐えて、チームとして攻守に連動して戦えた試合でした)そうですね。相手は前からくるっていうところでしっかりと自分も…何回かミスはありましたが剥がせるところは剥がせたし、相手の矢印を追って、相手のゴール前までいけて結果4点取れていますし…後半ちょっと運動量がおちてきて押し込まれた時に最後失点しましたけど、しっかり集中できたのは良かったです。(トップの結果が出ない中で、今年はU-23から下から盛り上げるという試合が続いている)そうですね。トップも勝てていないので。ただ自分もトップの方で試合に出たいと思っていますし、今日もツネさんが試合前に「こっちで勝ってしっかりしたプレーをすればトップにつながるぞ」っていうのは言ってくれていたのでそういうモチベーションを持って練習や紅白戦をやれているので。トップの選手を削ってでもポジションをとってやるというところを、プレー面で意気込んでやれているので、自分もU-23チームとしても、いい雰囲気や流れがあるのかなって思います。

●MF食野亮太郎

(気負いすぎずにと言って臨んだ試合で2ゴールでした)はい…すっきりしました(笑)。(顔を出すところ、周りを生かすところをあえて意識しながらやっているなという感じでしたね)そうですね。結構後半になって左サイドがあいてきて、カウンターで自分がスタートでボールをもてたので、周りをうまく使いながらっていうのは心がけつつ、2回に1回はパスを出して…駆け引きは大事だなって思っていたのでそれが効いてゴールもとれたのかなって思います。今日は4−3−2−1でスタートして、勇人くん(森勇人)とかが右サイドで慎也くん(矢島慎也)と作っていて、左サイドはレオ(高江麗央)と二人で近い距離でボールを回せていたので、一美くん(一美和成)が前にいるからどんどん入っていこうとやっていて…徐々にいいサッカーになってきたかなって思います。(4−3−2−1の狙いは監督は何と言っていましたか?)相手が前からプレスをかけてくるので、できるだけ背後を狙いたいということで、俺と勇人くんを裏に引っ張って、空いたスペースに麗央と慎也くんが入って行くと。で、麗央と慎也くんが出ていけば俺らが引く、と。とりあえず背後をとって前をとるみたいな感じでやるのを狙いでやっていて、それがうまくはまったなって思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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