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<ガンバU-23>雨の中での福島ユナイテッドFCは逆転負け。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

雨の中でのJ3リーグ、27節の福島ユナイテッドFC戦。チーム事情から先発メンバーの11人中、7人がユース所属の選手という構成になったものの、立ち上がりから全体がオーガナイズされた攻守をみせ、29分には白井陽斗が先制ゴールを奪う。後半、前がかりになった相手に押し込まれ、71分、74分にはいずれもクロスボールからの展開をゴールにつなげられ逆転を喫したが、その後も集中力は途切れない。その中で最後まで全体のバランスを保ちながらゴールを目指し、勢いを見せたものの1点が遠く、1−2で敗れた。試合後のガンバ大阪U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖U-23監督

このコンディションの中、芝もぬかるんだ中でタフなゲームでしたが、選手たちは、今週やってきた守備の部分でもいい連動をみせながら、狙いを持って試合を進めてくれたと思います。今日はユースの選手が多かったということもあり、ボールを持った時のコンビネーションがうまくいって得点にもつながったと思いますし、追加点のチャンスも後半はありましたし、ここ最近の中では勝ちに近づく内容だったと思います。ただ失点の部分のボールの寄せの甘さや、パスミスの部分だったり、試合を分けるポイントというのは今日も出てしまったのは反省点ですが、選手がみせたものというのはポジティブにとらえています。

ーユースの選手が多い分、不用意なミスは前半少なかったですが、後半は逆にユースの選手が多いひ弱さも出た試合だったのかなと思いますが。

相手は後半からクロスボールを簡単に入れてくるシーンが続きましたし、その対応が、個々の能力というところで1点目も、2点目も単純なロングボールを背後に放り込まれて競り負けてしまっているところがあった。なんとかラインをあげるとか、ポジションが入れ替わってもボールにプレッシャーにいくとか、少しラインが下げられただけにそういうところかなと思います。

ーチーム事情からユースの選手が多い試合になりましたが、ユースの試合とは違う、相手も違う、というところで監督が特別に強調されたことはありましたか。

今はユースの選手ですが、プロになりたいなら、そういうものをみせなければいけないし、プロに…例えばガンバのトップチームにあがるかはっきりしない選手については、外部から声が掛かるようなパフォーマンスをしなければいけないし、1年生の選手は他のチームで活躍している1年生の選手に比べた時に何が特徴かを考えなければいけないし、それは2年の選手も同じで、どういう意味合いをもってこの試合に臨むかということを強調して、それに対するアウトプットはあったと思います。例えば、これまで河井哲太はあまりボールに対していけなかったところも、積極的にいく姿勢をみせてくれましたし、守備を束ねるコーチングもありましたし、個人のところで何を改善できるか、伸ばせるかにフォーカスを置いた話はしました。

ー白井選手が2試合連続ゴールを決めました。戦える場面も増えてきて成長がみられる選手の一人だと思います。評価をお願いします。

持ち味がスピードの部分で、プラス、フィフティフィフティのボールに体を投げ出せるところもある。今日のようなコンディションでは特に彼のような特徴がいきる試合だったと思います。ヘディングに関しては冷静に決めてくれたと思います。もちろん課題は日々伝えていますし、今日のように積極的な姿勢をもって試合に臨む、相手にひるまないということを続けていくと。。出場時間も定期的に確保している中でこういうパフォーマンスをみせてくれていることは次に、将来につながると思っています。

●FW白井陽斗

(ゴールについて)いいボールがきたのであわせるだけでした。練習からあそこは狙っていて、本当に狙い通りでした。(コンスタントに試合に出ている中で周りの連携とか、このステージで得点を取ることに対しての発見みたいなものは試合を戦う中でありますか?)やっぱり練習から本当に息はあっているので、あとは試合でやるだけっていう感じなので、全然やれると思います。(ダービーでも完璧な崩しからゴールを決めましたが、ユースの選手が多いことで連携もうまくいっているのでしょうか?)それは大きいと思います。ユースの選手が半分くらいでていて遠慮することもないしやりやすいので。(ユースの年代ながらこのステージを戦っている中で一番意識していることは?)やっぱり試合中は常にシュートを考えていますし、シュートを打てなくても…打ったら何か起きるのでそこは意識してやっています。

●MF高江麗央

(全体がオーガナイズして戦えた90分でした)そうですね。いい試合だったと思いますが個人的には失点に繋がるミスもあったし、決めなければいけないところで決められなかったりので、個人的には反省の方が多いです。(リードした展開は久しぶりになった中で、後半相手も出てくることが予想されたと思いますが、どういうことを意識して後半に入りましたか?)まずは落ち着いてボールを回すことと、相手が前からくるだろうなと予測していたので、しっかり落ち着いて自分たちのペースでやっていこうといっていました。(こういう試合が結果につながればまた自信になっていくところもあると思いますが)そうですね。ゴールに向かう姿勢やゴールをまもる姿勢はユースの選手も含めて強い意思を持ってやれていたのでこれをしっかり続けていきたい。(個人的にも惜しいシュートシーンがありました)あそこを決めていればもっといい流れに持って行けたし、自分たちのペースにできたと思うので、しっかり練習していきたいです。

●GK林瑞輝

(いい展開で試合を進められました)前節のセレッソ戦は真ん中からやられることが多くて、この1週間はそれを改善しようと監督が練習メニューも重点的にやってくれて、その部分は前後半を通してやれたかなって感じしました。(ユースの選手が多かった中で経験のある自分たちが引っ張ろうとか、考えていたことはありますか?)普段の練習からプロでやっているメンバーが少ない中で、それは全員で言い合って、毎試合望んでいるつもりですし、そのへんはいつもと変わらず、ただまたユースが増えたなって話しながら、でもやるしかないなって話をしながら試合に臨みました。負けてしまったので残念ですが、また次に切り替えたいです。(なかなか失点が減っていかない状況があり、守備の選手だけに歯がゆく思っていたはず。今日はメンバーが違うので一概には言えませんが、少し自信を取り戻せる試合になりましたか?)今までの試合とはまた違う失点の仕方で2失点やられたので、そこはチームとして少しは成長したのかなって感じました。これまでと同じやられ方はしなかったので。ただ今日は中を絞めた守備を心がけた中で、クロスの対応というのはやっぱり経験の少ない、プロのない選手が多かった中で自分が全部出れたら理想ですが、さすがに全部は出られないので。そこは個人のスキルの問題もあるので、自分も含めてまた次からはクロスボールからの失点をなくしていけるようにしたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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