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<ガンバ大阪>横浜Fマリノス戦は1−2で敗戦。リーグタイトルの可能性が消滅。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ここ3試合、白星がないガンバは、横浜Fマリノスを相手に立ち上がりから『勝利」への執念をプレーで示すが、スコアレスで折り返した後半、先制したのは横浜。またしてもビハインドを追いかける展開を強いられてしまう。それでも78分には途中出場のDF初瀬亮の右サイドからのクロスにFW長沢駿が頭で合わせて同点に追いつくも、89分に再び得点を許し、1−2で敗れた。試合後のガンバ大阪監督・選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

ホームで勝てないのは申し訳なく思います。たくさんのサポーターが応援にかけつけてくれている中、なかなか勝利を届けられないのは悔しいですし、申し訳なく思います。選手は今日も本当に勝とうという思いでスタートし、前半ほとんどピンチらしいピンチはなく、後半もカウンターのマルティノスだけ気をつけようとハーフタイムに指示をして入りました。その中でミスパスというかパスカットされたところからカウンターでマリノスの狙い通りの形で先制点を献上してしまった。そのあと、圧力をすこし強めて同点にし、最後オープンな展開になりましたが、ああいうところで『ホームで勝ちたい』という思いを持ちながらもしっかりとリスク管理するところはしなければいけなかったな、と。もちろんファウルはあったと思いますし、審判の目の前なので微妙なプレーかもしれないですが、ジョン(金正也)に厳しいことを言うならば、簡単に転ばないということも求めたいし、最後、シュートブロックにいって裂傷になっているのは足の裏でのプレーだったと思いますので、そういう危険なプレーに関してはレフェリーはしっかり笛を吹いてもらいたかったなと思います。ただ、ああいうオープンな展開になった中で相手に決勝点を与えてしまったのは、まだまだ現状、力不足だと感じています。あと6試合、意地をみせなければいけないですし、ホームで勝利を届けられるようにまたしっかりと戦っていきたいと思います。

ー今日の結果を受け優勝の可能性は完全になくなってしまった。監督の退任発表後、一勝もできていないというのもありますし、選手が空回りしているのか、緊張感の問題なのか、その点について監督はどのように感じていますか。

非常にいいゲームの中で落としている試合が多かったので。選手は空回りというより、しっかり気持ちを出してやってくれていますが、勝ちたいがために細かいところを少しおろそかにしている部分はあると思います。大宮戦の後も言いましたが、こういう苦しい試合を追いついて、勝ち点1という部分を積み重ねていくことでチームが上向いて行くこともあるので…これは、もちろん引き分けを狙っているということでは全くないですが、最後、一か八かの展開になってしまっているのは事実で、それは選手が「なんとか勝利を」という思いでやってくれているこそだというのはあるのですが、もう一度、冷静にゲームを運んでいかなければいけないと思っています。

●MF遠藤保仁

(勝ちきれない試合が続いていますが)流れが悪いといえば悪いですし、勝ってもおかしくない試合をここ最近は落としたり、引き分けたりしているので。ただこういう結果にしているのは自分たちなので。最後のつめがちょっと甘いところもあるし、ここ数試合、複数失点してしまっていますが、点を決めるべきところで決めたり、守るべきところを守らないとこういう展開になると思います。ただ内容としては今日も良かったと思います。今後も、最低でもこれくらいできるようにしていければまたチャンスは出てくると思います。(リーグ戦の優勝の可能性が消えたことについて)シーズン当初から、優勝を目指してやってきましたし、それができなかったのは残念ですが、残りの試合でしっかり切り替えて、1つでも上の順位にいけるようにしたいと思います。まだルヴァンカップの戦いは残っているので、また切り替えてやっていくしかないと思っています。(最後の勝ち越されたシーンについて)僕個人は見えていなかったので、本人は腕を引っ張られたとか言っていましたが、でも、サッカーでは起こりうることで、防がなきゃいけない失点だったのは間違いないので。ああいう拮抗した中でリスクを負い過ぎて前にいくことも時にはあるので、そのへんはしっかりチーム全体としてゲームをコントロールしなければいけないところだったと思います。

●DF初瀬亮

短い時間の中でも結果を出していかないと、生き残っていけない世界だからこそ、どれだけ少ない時間でも結果を出して行くことが生き残って行くには大事だと思っていた。チャンスをもらえたというのも大事ですけど、少しのチャンスでもそれを掴んで行くことが大事だと思ってピッチに入りました。健太さん(長谷川監督)には本当にこの2年間、本当に育ててもらったので、本当に1つでも多く勝つことで送り出したいですし、少ない時間でも試合に出て結果を出すことが健太さんへの恩返しだと思っているので、そこは残り試合の中で引き続き求めていきたいと思います。(今日は投入される際に監督からどんな声をかけられましたか?)まだ1−0の状況だったので、しっかり守備をしてからいいクロスをあげてこいと言われました。言われて…でも積極的にはいけましたけど、最後の質は低かったと思うし、そこは本当に自分の課題だと思うので、さっきも言いましたけど、短いチャンスで結果を出していかないとこのチームでは残っていけないと思うので。ジェソクも韓国代表に選ばれて、ハルくん(藤春廣輝)も代表クラスの選手だという中でチャンスを生かしていくことが、本当に自分の成長につながると思います。今季はもう天皇杯も負けてしまって、Jリーグでの優勝も消えてしまいましたが、ルヴァンカップは残っていますし、タイトルを取ることによって来年にまたつながるし、自分の立ち位置も変わってくると思うので、僕自身もチャンスをもらった時に活かせるようにしていきたいです。

●FW長沢駿

いつものようにというか、後半の頭の失点がいつもきついなっていう印象はありますし、同点にしてから勢いがあった中で点を取れなかったのはまた自分たちを苦しめてしまったと思うので、まだまだだなって思います。(前半から激しくプレスをかけていった中でなかなかそこで得点につなげられなかったのも響いた)そうですね。前からいったら何かが起きると思うし、実際にミスも誘えていたとは思うんですがそこで前半のうちに先制点をとれていればまた違った試合になったと思います。そういう意味でも、自分たちで自分たちを苦しめてしまった試合でした。(なかなか勝てない試合が続いている)そうですね。勝てないのは本当に苦しいですし、勝てなければなかなかチームも勢いに乗っていけないというのはありますけど、次のルヴァンカップにむけて、サポーターの皆さんが試合後にああやって声援をくれて、切り替えさせてくれたので、サポーターのために気持ちを見せて戦って、なんとしてでも勝って、ホームに戻ってきたいと思います。(ゴールシーンについて)得意な形というか、亮がクロスをあげて、DFには当たりましたけど、自分のところにきて当てた瞬間に入ったなっていう感触があった。その回数をもっともっと増やしていきたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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