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<ガンバ大阪>堂安律のラストマッチ。川崎フロンターレ戦は1-1の引き分け。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ホームでのJ1リーグ16節・川崎フロンターレ戦。FCフローニンゲン(オランダ)への移籍が発表された堂安律が先発を飾る中、序盤からお互いがハードワークをした激しい戦いとなり、0ー0で折り返す。後半、川崎に先制を許すも、68分にMF井手口陽介の左サイドからのクロスを、FW長沢駿があたまであわせ1−1に。その後もお互いに追加点を目指したが1点が遠く、1−1で引き分けた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

いつも川崎とやる試合は、前半結構早い段階でやられることが多かったので、前半の戦い方という部分を選手たちに話をしていて、非常に締まった前半の戦いをしてくれた。必要以上にもたれることもなかったし、最後のところでも、ボックス内でしっかり対応できていた。何本かチャンスもありましたし。そういう中で先に点を取られたので、だいぶ中盤もあいてきたので形を相手と同じにして、倉田の運ぶ能力を活かしたいということで倉田をボランチに、今野を左サイドに出して、まず1点、また逆転を狙っていた。相手もメンバーかえてきたので、今ちゃんをボランチに戻して倉田を左に出したのですが、どちらがとってもいい展開の中でなかなか次の得点が生まれなかった。試合自体は両チームが気持ちを出して、非常に白熱した試合だったと思います。強いて言うなら、こういう試合で勝利を収められたらいうことのない試合でしたが、この引き分けをまたしっかり次に活かせるようにトレーニングしていきたいと思います。やっぱりホームでサポーターにいい形で勝利をプレゼントできるように、勝負にこだわってこれからも戦っていきたいと思っています。

ー今日がガンバでのラストゲームの堂安選手の評価と交代の理由を教えてください。

前半は非常に良かったと思います。ボールロストも少なかったし、律もシュート、こぼれ球から倉田のシュートのシーンとかアクセントつけてくれた。ただ、後半になって若干、運動量のところで物足りなさを感じたのとアデミウソンの状態がトレーニングの中であがってきていたので彼の突破力、破壊力を活かしたいと思い交代をさせました。

ーアデミウソン選手がエリア内で倒されたシーンの判定については監督はどう感じていらっしゃいますか?PKをとられてもおかしくないシーンだったと思いますが。

映像をみていないのでなんとも言えないです。逆サイドでしたし、そのへんは確認して、もし足がかかっているようであればクラブが検証というか、抗議文を出すんじゃないかと思っています。それよりも中盤で、手でボールを運んで小林が最後、シュート打ったシーンがゴールになっていたら、たまったもんじゃなかった。完全に手で運んでいましたので。あっちの方が気になりました。

●FW堂安律

(スタートから飛ばして、気持ちを出して戦った試合でした)そうですね。前半は良かったですけど、気持ちはだせたかなと思います。(ゴールを取りたいと話していたのは叶わなかったけど前線からの守備では存在感も示せた)前半はチームとしても我慢するところは我慢して、攻撃も迫力を持っていけていたので、前半に関しては自分自身いいプレーができたのかなと思います。おさめるところはおさめていたし、自分のところで起点になって前に運べていたと思う。(どんな気持ちでこの試合を迎えましたか)ガンバの一員ということだけを考えて、次のことは全く考えていなかったし、いつも通り、本当に試合に勝つことだけを考えてピッチにたった。特別な気持ちがあったとしたら、いつもより「点を取りたい」という気持ちが強かったことでした。(スピーチでは感きわまるところもなく堂々と話していました)なくタイプじゃないので。泣きはしなかったけど、ただ場内をまわっているときにいろんな方から言葉をいただいて正直、こんなに応援してもらえてるとは思っていなかったので、改めて中途半端な結果じゃダメだなと思ったし、しっかり覚悟もっていきたいなと思いました。(この2年で一番伸びたと感じるところは?)ハードワークとかは一番伸びたと思いましたけど、なんかな…物怖じせずプレーできるようになったというか。去年初めて仙台で出て、ビビりまくって何もできなかったことを思えば、この2年間で本当に成長できたし堂々とプレーできるようになったかなと思います。

●MF倉田秋

(お互いにハードワークした拮抗した展開になった)自分に、3〜4回くらいチャンスがあったので、それを沈めていれば勝てた試合だったと思うので、ちょっとみんなに申し訳なかったです。パスという選択もあったけど、自分で決めきるという気持ちが出てしまったので、そういうところで決めきれないといけないなと思いました。(後半、攻撃としてはさらに加速した。そこで取れれば理想的だった)そうですね。いい流れからショートカウンターもあったので、そういうところで沈み切らないと相手もそう簡単に勝たせてくれないと思うので、もったいなかったという気持ちが強いです。(律のラストゲーム)毎試合勝ちたい気持ちは出しているけど今日はいい形で送り出したいという気持ちもあったので、それができずに残念です。向こうでガンバの結果を見ていると思うので、いい結果を出してあいつに刺激を与えられたらいいなと思います。(その堂安選手からもいいパスが来ていましたが)そうですね。決めないとこういう引き分けとか負けになる試合が多いので、これからしっかり決めきれるようにやっていきたいです。

●FW長沢駿

あまりボールは保たれていましたけど、向こうもシュートはなかったので、きっかけがあればなとい感じだったんですが、そういう中でやられてしまって…でもみんなそんな焦りもなかったし、いい時間帯で点を取れた。そのあと、もう一点そこで取りに行く姿勢はみせられたけど、そこで取りきれなかったのがこれからの課題だと思います。(シュートシーン、天皇杯で傷を負った患部の近くで打ったのかなと思いますが?)そんなに怖さもなかったし自然に出れたので、痛みもないし、あとは傷口があかないことだけが心配でしたけど大丈夫だったので。でもああやって1点取ったあとにもう1点取るために…最後の方はバテていましたし、踏ん張れるところはまだまだだなと思います。(井手口くんのクロスについて)スローインを早く始めて陽介がフリーだったのでクロスを入れて欲しいと言っていましたし、DF二人が全く見ていなかったので…映像みても、川崎さんのクロスの対応はチャンスだと思ったので、狙い通りの入り方ができたし、当て方もできたと思います。(早くて強い弾道のボールがきた)そうですね、ああいうボールがきたらこっちのものかなと思っていました。ピッチもスリッピーだったのですらせながら叩く感じをイメージできていたので、それをやれたのが良かったです。

●GK東口順昭

(相手の攻撃について)つなぎの部分はもちろん、うまいし、後手を踏んだところもありますけど、今日に限ってはあの失点以外はしっかり守れていたと思うし、あの失点も少し事故みたいな感じだったので、やっている側としてはしっかりと試合を通して守れたと思っています。点さえ取れればそのままもっていけるような自信はありました。(ガンバの守備がよかったというのもありますか?)そうですね。プレスもしっかりはまっていたし、いくところといかないところのメリハリもしっかりできていたのでそういう意味では守っていて守りやすかったというか、そんな簡単には失点しないだろうなっていうふうには思っていました。(前半久しぶりに陽介が戻った3ボランチを組んだ)そうですねもっと3ボランチにふられるかなと思っていたんですけど、そんな嫌な間ではなかったし、運動量があったのと、距離感も保てたので、変幻自在にできるんだなっていうのは改めて思いました。(後半攻撃が加速した中で攻撃がとれれば理想的でしたね)そうですね。多分仕留めた方の勝ちだったと思うので、まあ仕留め切りたかったです。

●MF遠藤保仁

どちらに転がってもおかしくない試合でしたし相手も素晴らしいチームなので、もちろん勝点3をとれれば良かったですけど、1とれたので。また切り替えてやっていきたい。(監督は中盤の攻防戦になるみたいな話もされていましたが)大きな問題はなかったし、相手がボールを握るのはある程度想定済みなので、良くも悪くもなかったですね。相手に前半は特にビッグチャンスというか、決定機を与えなかったし、それなりに連動してやれていたと思うので、どういう形であれクオリティをもう少しあげていけたらよりいいかなと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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