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<天皇杯2回戦>ガンバ大阪VSヴェルスパ大分

高村美砂フリーランス・スポーツライター

天皇杯2回戦のヴェルスパ大分戦。市丸瑞希がボランチでトップチームデビューを、MF井出遥也が右サイドバックとして移籍後初出場を飾る中、前半は引かれた相手に攻撃陣が沈黙し0−0で折り返す。後半は58分にDF初瀬亮の左サイドからのクロスボールが相手のオウンゴールを誘い先制すると、84分にはMF泉澤仁が、88分には右サイドにポジションを移していたDF初瀬のクロスボールがそのままゴールに吸い込まれ3−0。3回戦に駒を進めた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

まずは勝ててよかったです。前半15分、立ち上がりに勝負をかけろという話をして点が取れなかったので、そのあとはしっかり落ち着いて、スローダウンするのではなく慌てずサッカーをしようという話をした。前半ゼロで得点がとれなかったので、後半はもっと仕掛けろと話をしました。前半、ボールは繋ぎますが、少し綺麗に崩そうとするきらいがあり、なかなかブロックから抜けてドリブルで仕掛けるとか、クロスあげられそうだけど中の枚数がいなくてまた戻したりと、後半はもう少し強引にという話をしました。1点目が相手のオウンゴールでラッキーな得点でしたが、後半の頭からそういうプレーがみられるようになっていたので徐々にプレッシャー与えられていたのが良かったのかなと思います。もう少し1点を取ったあとに畳み掛ける攻撃ができればよかったですが、天皇杯2回戦は難しい試合が多いので、そういう意味ではしっかりと勝てて、最後までしっかり戦ってくれたという意味では今日、出場した選手が頑張ってくれたおかげだと思っています。

ー井出選手、市丸選手についての監督の評価を教えてください。

井出はいつものポジションと違いましたが、非常に落ち着いてプレーしてくれた。相手が最後、4-4-2で捨て身できたので、藤春を入れて初瀬を右にまわしましたが、交代するまでは落ち着いてプレーしてくれました。市丸に関してはもっとやれる選手だと思っています。今日もまだまだパスミスが多かったですし、1点取ったあとも、突っ込んでいく必要がない状態で、少し前がかりになって突っ込んで相手のカウンターを受けたりというシーンが見られましたが、もう少し試合の状況をしっかりと判断しながらプレーの選択ができるようになればさらによくなると思います。ボックス付近ではプレーしていましたが、そこからのスルーパスも引っかかったり、一つ飛ばすパスで相手に引っかかったり、ということも見られましたしね。もちろん初の公式戦での緊張もあったと思いますが、能力考えればもっとやれる選手だと思うので、また次の機会でさらにいいプレーを期待しています。

ー今日、ゴールが生まれなかったFW陣への評価は。

点が取れないことが全てだと思っています。呉屋もアデも長沢も、全員使いましたが、今日は誰も得点できなかったので、もっともっと貪欲にゴールを狙って欲しいと感じました。特に呉屋は非常に期待が大きかっただけに、まだまだなのかなという感じています。ただ前線で起点になったり、ゴールに対する意欲は非常に感じられた。それはアデミウソンも一緒で、ボールを失った後のプレーだったり、もう少しでゴールというような、相手を脅かせるようなプレーも見られたので、引き続きFW陣には結果にこだわってプレーして欲しいと思います。

●MF井出遥也

天皇杯でしたけど、試合に出て、チームもしっかり勝ててよかった。初めてのポジションでしたが、不安というより思い切りやってやろいうという気持ちが強かった。前半何度かクロスまで行くシーンがありましたけど、あれを後半だったり、立ち上がりからもっともっと数多くやれればよかったなと感じました。途中で交代してしまいましたが、これをきっかけにもっと努力をしていきたい。(サイドバックでの出場について)初めてでしたし、ただ、周りの選手がたくさんカバーや、声かけなどサポートしてくれていましたし、個人としては思い切りやろうと思っていたので、不安というより、攻撃の部分で自分の良さを出せるようにと思ってプレーしていました。(右サイドでの藤本選手とのコンビネーションについて)引いてきた相手に対して淳吾さんと自分のポジショニングは気にしてやっていましたし、うまく入れ替わることだったりは個人としてもイメージしていたことだったので…何度か淳吾さんのところに入った瞬間に外から上がってクロスだったり、入れられましたけどあの数をもっともっと増やしていきたいです。(守備面について)自分として課題にしているところでしたが、何度か入れ替わるようなシーンがあったので、そこをしっかり個人としては練習の中でやっていければと思います。またリーグ戦だったり、これからの試合で貢献できるように普段の練習からしっかりやっていきたい。天皇杯でしたが自分としてはこれをきっかけに、練習の中からもっともっと努力してJリーグに絡んでいけるようにやっていきたいと改めて感じました。

●初瀬亮

前半も1本、惜しいシーンを作れましたし、後半も一本、呉屋くんに惜しいのがありましたし、感覚的にはよかったので、今日はチャンスがあるかなと思っていました。1点目のオウンゴールもどっちが触ってもいいようないいボールが配給できたと思いますし、最後の得点はラッキーでしたけど、ああやって仕掛けてクロスをあげたことで生まれたゴールなのでそれはプラスに捉えていきたいと思います。(プロ初ゴール)俺らしいんじゃないですか(笑)。きれいなゴールじゃないし。それより難しい相手に勝てたのが大きいです。

●MF井手口陽介

(脳震盪後、最初の試合でした、特にプレーの影響はなかったですか?)それは全然問題なく、大丈夫でした。(前半なかなかこじ開けられなかった中で後半どんな変化をつけながらプレーしようと?)色んな引き出しをだして横にも縦にも裏にもっていうプレーは心がけながらやっていたんですけど、それはなかなかうまくできなかったです。(前半は、狙ったパスを入れても、前線の選手とのコンビネーションのところでもなかなか合わなかったように見えました)そうですね。なかなか縦パスを入れてもあそこであわなかったし、クロスからいっても中に入っていけなかったりで、苦しい展開の前半になりました。(市丸選手とボランチを組みましたが、彼のプレーはどう映りましたか?)今日の相手じゃなんとも言えないですが、今日だけじゃなくて普段からしっかりボールもさばけるし、攻撃の起点になるプレーをクオリティが高くできる選手だと思うので、これからも一緒に試合に出られるように頑張っていきたいです。

●FW呉屋大翔

(ゴールが遠かったですね)そうですね。この感じで取れなかったらキツいですね。(オウンゴールのところとか飛び込んでいましたが、あれを続けていればっていうところもあったのかなと思いますが)でも、とれてないのは事実なので、それが全てかなと思っています。(相手に引かれて難しい展開だったとはいえ、取り切れなかった理由をあげるなら?)そうですね。チームとしてやるべきプレーも全然出せなかったというのもあるし、そこからの自分らしさも全然出し切れてないし、あのまま続けていてもおそらく点が取れなかったと思うので、もっと練習をしないといけないなと感じました。(監督はかなり期待が大きかったと話されていましたが、練習ではいい状態まできているという手応えもありますか?)感触自体は自分としても悪くないですが、評価するのは監督なので。今日もゴールを決めるところだけを見てると言われていたので、そういう意味では不甲斐ないし、もっといろんなところを変えていかなければいけないと感じました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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