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ガンバ大阪が完封勝利で2位に浮上! 試合後のガンバ大阪監督・選手コメント。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

6月3日、ガンバ大阪はACL出場のため未消化試合となっていた10節の鹿島アントラーズ戦を戦い、2-0で勝利。もう1試合未消化試合があるため、暫定ではあるものの2位に浮上した。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●ガンバ大阪/長谷川健太監督

前半の入りはあまりよくなかったと思います。ただ、途中から少しずつディフェンスの方もしっかり落ち着いてきた中で、セットプレーから今野が先制してくれたのが非常にチームとして大きかった。ハーフタイムにもっとアグレッシブにという話をして、特に前半はボールを奪った後、逃げのパスが多かったのでもっと、しっかり繋ごうと。後半2点目をとるまで非常にアグレッシブに戦ってくれた。そのあとはバランスをとりながらカウンターから3点目とれるチャンスはたくさんあったので、そういうところで2列目の選手が追加点をとれれば言う事のない試合でした。2試合引き分けのあと、ホームで鹿島にしっかりと勝つことが出来て、非常に大きな勝利だったと思います。残り4試合、最後まで諦めず、優勝目指して戦っていきたい。1戦1戦、まずは次の神戸でいい結果を出せるように戦っていきたいと思います。

ー宇佐美選手がペナルティをとりました。その彼の姿勢と、PKをご本人が蹴りたそうにしていましたが、結果、遠藤選手が蹴りましたが、その判断について。

PKは遠藤が蹴る事になっていますし、後半貴史もアグレッシブに戦ってくれましたが、何度も言っていますが、チームとしてPKは決めているので基本はやっとが蹴るということです。非常に大事な2点目を決めたのはやっとですが、貴史のアグレッシブなプレーがあってこそ。チームとしてPKをああいう獲る事ができたと思っています。

ーメンバー交代、殆ど動きませんでした。次の連戦を見据えてということなのか。また、公式戦では5試合ぶりの無失点となりましたが、守備の評価について聞かせてください。

バランスよく戦えていたのであまり動く必要はないのかなと。変に動いてバランス崩すのは避けたかった。パトも貴史もまだまだ足が残っていたし、両サイドも動けていたのでメンバー交代する必要ないのかな、と。中3日あきますし、またしっかりとメンバーを選別しながら次の神戸に向けて準備をしていきたいと思っています。守備については、本当にディフェンスラインは前半は1本、鹿島らしい攻撃もされましたが、そういう中でしっかりと対応してくれた。ミスがらみで危ないシーンもありましたが、最後まで集中を切らさずに、ミスがあってもしっかりカバーする、と。決定機を殆ど鹿島に作らせなかったのは、非常に集中力をもちながら、よく戦ってくれたと思います。

ー監督は2ステージ制で勝ち点を考えていると聞いています。今日、浦和が足踏みしましたが、ファーストステージにおける上位との差はどう捉えていますか?

決してうちのペースは悪いと思っていないので。浦和が負けずに走っていますが、最後まで食らいついてチャンスがあれば、と思っています。基本的には自分たちのペースを崩さすに戦いたい。5月はACLもあってメンバー的にもコンディション的にも難しい中で、選手も1試合ずつ勝利を目指して戦ってくれたと思っていますし、いま暫定で浦和と勝ち点7差ですが、柏との試合が1試合多いという事で、もちろん、その結果はどうなるか分かりませんが、4試合で、もしそこを勝ったとするなら勝ち点は4差ということで、まだまだチャンスがある差だと思っています。最後まで諦めずに戦って、その上でもし取れない場合は、またセカンドステージ目指して戦いたいと思っていますし、最終的に年間チャンピオンを目指して戦っていければと思っています。決して、ファーストを諦めている訳ではないですし、一生懸命1つずつ、勝利を見据えて戦ってはいるので。はじめからファーストを捨てた訳ではなく、2ステージともとれるように、かつ最後、年間でチャンピオンシップに出れるように頑張っていきたいです。

●MF倉田秋

(かなり最後まで運動量を示しました)ただ、あれを続けていかないと意味がないと思うので。早くJリーグでも点を獲りたいです。チームとしてもこれからのJリーグ全部、負けたら優勝はないという気持ちで戦っているので。追い込まれた時のガンバは強いので、粘り強いチームなので、これからも勝ち続けていきたいです。

ー試合の入り少しペースがあがらない感じがしましたが。

そうですね。なんか受けにまわったというか、びびっている訳じゃないけど単純な攻撃になってしまっていた。ハーフタイムに監督からそういうことも言われて、自信を持ってやれといわれた中で後半に入って、後半は良くはなかったけど前半より思い切り良く、のびのびやれていたので、それは良かったと思います。

ー運動量ということもかなり意識したのかな、と。

後半、相手が前がかりになってくるのも分かっていたので、そこで最後のところで身体を張ったり、相手があがってこれば、カウンターでチャンスも作れると思っていたのでそこは狙っていました。(追加点がはやい段階で入ったのも大きかったですね)めっちゃ楽でした。あれがなければどっちつかずの試合だったと思うので。ただゼロで終われたのは良かった。

ー無失点は公式戦5試合ぶりでした。

そうですね。今日は相手より走り勝ったという試合だったので。それが良かったです。気候も涼しくて身体も楽だったので。(すごい運動量でしたね)それはやらないと。っていうか、自然とできるようになっている感じなので、あまり意識していないですけどね。(信じてペナルティエリアに飛び込んでいくシーンも見られた)あれを続けていればいつかはくると思うので、そこは信じて走っていました。

●MF遠藤保仁

まずは勝ち点3をとることが目標でしたし、失点もゼロで抑えられたので。非常に良い試合ができたと思います。(浦和の結果は聞きましたか?)はい。引き分けですよね。ポイントが1つでも縮まったのはいいことだと思うし、僕らはあと1試合少ないのでそこをしっかりものにできればファーストステージでもチャンスはあると思うので。

ーPKのシーンを振り返ってもらえますか?

ゴールキーパーが早く動くのがみえたので、GKをみてから蹴ったので普通と言えば普通ですが、追加点をとれたので。あれで大分、精神的にも優位になったのかなと思います。

−2−0になってからの進め方というところではどういうところにチームとしてどの変に共通理解をもっていましたか?

まずは失点しないということと、多少相手も前がかりになるので自分たちがうまく守れればカウンターのチャンスも生まれると思っていたので。ゼロで抑える事が第一でしたし、失点しなければ負ける状況でもないので、あまりリスクを負わずに戦おうと思っていました。

ー鹿島のシュートは殆ど枠内に飛んでいない。守備が機能した、と。

決定機もなかったですし、90分を通して安定して戦えていたと思います。ボックス内からのシュートも殆ど打たれていないので。守備の部分でも集中して、全員が連動して戦えていた。(前半少しバイタルにスペースがうまれていましたが、そのへんの修正は?)前半の最初の方は土居くんをフリーにしたりということもあったので。あそこで後ろと相談しながら、ボランチは捨てて、バイタルを遣わせないようにというのは話し合っていたので。それをゲーム中に修正できたので、よかったのかなと思います。(後半、小笠原くんや柴崎くんにはある程度持たせてもいいや、という意識だったのでしょうか)前半の途中からそういう風に切り替えましたね。できれば高い位置でボールをとるために前に行くのは理想ですが、僕らが前にいくと土居くんがフリーになるので、そこはうまく修正できたと思います。

●DF丹羽大輝

(5試合ぶりの完封でした)そうですね。久しぶりの無失点で、嬉しいです。立ち上がり最初の5分以外はほぼ自分たちで試合をコントロールしていたし、85分間、ほぼパーフェクトにゲームをコントロールできていたんじゃないかと思います。(少し前半、バイタルのところを狙われていましたが)まあでも、あそこをボランチが行けない時は後ろがしっかりケアして、最終ラインで踏ん張ろうという事は考えていたので、金崎くんや赤崎くんだったり、結構ダイナミックに走ってきて危ない場面もあったんですが、決定的な場面はおそらく1回も作らせていないし、僕とヨネのところでいい関係を作れていたので。そこは本当にいい守備ができたと思います。

ーあまり鹿島の攻撃に怖さを感じずにやれた、と。

そうですね。常にヤバいな、って思ったシーンは1度もなくて、殆ど自分の想像の範囲内というか、ヤバいっていう感じは試合中は1度もなかったですね。

ー遠藤選手が試合途中に、バイタルのところを修正したという話をしていましたが。

前半すこし間延びしている時があり、中盤と後ろの間を使われている時があったので、後半そこを後ろが少し押し上げてあげて、中盤と後ろをしっかりコンパクトにして挟みやすいようにしたというのはあります。でも、鹿島の選手が柴崎くんや小笠原さんが持っても、単体でしか動いていなかったように思うので。もう少し連動して動かれたら嫌だなと思っていたんですが、そういう場面でも単体、単体だったので、そのへんは落ち着いて対応できていました。

ーサイドからの攻撃も殆ど作らせなかった。

阿部ちゃんに対してサイドにボールが入ったらどんどんプレッシャーにいこうというのは言っていたし、昌子さんももともとセンターバックの選手なので、そこまでビルドアップでリズムを作る選手ではないと思うので、そういう意味では阿部ちゃんがいい感じでプレッシャーをかけてくれたことで、そのあとのセカンドボールを狙おうということが出来たので。チームとして殆どが想定内の守備ができていたし、決定機はなかったんじゃないですかね。

ーパトも前線で起点を作ってくれた。

あれが本来のパトというか、あれくらいやって当たり前だと思いますし、シンプルにやる時はシンプルにして、サイドを引きずって、コーナーをとってくれたりとか、ああいうプレーをパトが常にやってくれればチームはすごく助かりますし、今日も貴史も献身的に追ってくれたし、前半は1−0で折り返しましたが監督からカツが入ったというか気合いを入れられたので。「もっともっとやれる」と。1−0で勝っているけど俺らはもっともっとやれるし、圧倒できるという話はされたので、その話があっての後半立ち上がりのPKだったのですごくいい感じで入れたし、2−0になった後も特に引く訳でもなく、あわよくば3点目も狙っていたので、90分間ゲームはコントロールできていたと思います。

●DF今野泰幸

(ゴールシーンについて)目の前にきたので身体が反応しました。偶然ですね。強いシュートでもないし、全然狙っていなかったので、奇跡的。ゴールの枠にパスしたというか…とにかくボールきたので体が反応しました。とにかく触って、ゴールに近い方に送ろうかなと思っていました。(鹿島はセットプレーからの失点が多いですが、狙っていた?)そういうのは何となく頭にあったけど、本当にたまたまです。そんなにうまくいくものではないので。

ー鹿島は強いイメージだと話していましたが。

正直、今日はこれまでの鹿島ほどの怖さはなかった。いいときはもっと全員でプレーするし、サイドバックがどんどん上がってくるので。今日は裏を狙うというより、足元が多かったですからね。うちが先制してブロックを作っていたのもあるかもしれないけど。

ーその守備について。確かにブロックを作った守りでした。

前半から土居が嫌な位置にいましたからね。こっちのWボランチが相手のWボランチにくいついてしまうと、土居をフリーにすることになるので、どうケアをするか考えていて。ボランチはFWの1枚に見てもらい、まずはトップ下を見ようかなと思っていました。この守り方ができるのは、守備に自信があるのもあるし、僕らにはカウンターという武器があるのも大きい。2トップがいいですからね。ただ、満足したら終わりなので。ボールを奪ったあと、2トップにあてるだけではなく、もっとみんなでスムーズに押し上げられるようにしたい。

ー個人的にはまだまだ課題があるとおっしゃっていましたが、どの部分に課題を感じていますか?

流れの中でのゴールもそうだし、前と後ろのつなぎ役とかもそう。ただ、自分が相手のカウンターとかに強く行く方がバランスがいいのかなという気もしているし、葛藤がありますね。判断スピードももっと上げないといけないし、ボールに絡む回数も少ない。まだまだ伸びなきゃいけないと思っています。パスの距離も、今はどうしても短いですしね。もっと視野を広げて20、30、40メートルのパスを出せるようにしていきたい。その部分は今日もあんまりでした。

ー日本代表について。

監督が選ぶものだし、選手である僕が言うことは何もない。僕らはピッチでやるしかないですから。今度の代表戦は見る側として応援したいし、どんなサッカーをするのか楽しみです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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