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宇佐美貴史が6戦連発でクラブの連続ゴール記録に並ぶ! 松本山雅FC戦後ガンバ大阪監督・選手コメント

高村美砂フリーランス・スポーツライター

前節のアルビレックス新潟戦から中2日で行われたJ1リーグ第8節の『ガンバ大阪VS松本山雅FC戦』。G大阪は16分にFW宇佐美貴史がクラブタイ記録となる『6戦連発』となるゴールを決めて、先制点をものにするとその後も、勝利をおさめた。ガンバ大阪はこれでリーグ戦5連勝。AFCチャンピオンズリーグの戦いを含め、厳しい日程で行われた4月の7試合を全勝で乗り切った。以下、本日の松本山雅戦戦後のガンバ大阪監督・選手のコメントをお届けする。

●ガンバ大阪/長谷川健太監督

ホームでしっかり3をとることができて、選手は本当によく頑張ってくれたと思います。新潟戦、松本戦とホーム戦が続きましたが、やはり、この2試合を勝てるかどうかが1stステージを占う非常に大事な試合だ、と選手にも話をしていましたが、2試合とも難しい試合展開でしたが、勝ち点3ずつを積み上げられたのは選手が本当に勝負に対してしっかり戦ってくれた結果。リーグ戦に関して言えば、この2試合しかホーム戦がない中で、サポーターにしっかり勝利をプレゼントできて良かった。

2点目がとれれば今日はもっと楽な展開で試合を終える事ができたと思いますが、なかなか追加点がとれなかった。それが松本に最後まで希望の光をあたえることになりモチベーションを落とさずに山雅らしい攻めをされた感じはします。

1度裏に抜け出して東口が止めなければ、というような危ないシーンも作られたし、山雅というチームは本当に自分たちのサッカー信じて90分戦い抜いてくるチームですし、そういう形で勝ち点も積み重ねている。今日の試合も90分間そういう試合を仕掛けてくるという話を選手にもしていましたが、選手も最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた。

前半は山雅らしくなく大人しいサッカーをしてくれたので、どうしたのかなと思ったのですが、後半は山雅らしいサッカーもしてきたので、そのへんは試合が終わったあと、反町さんに伝えておきました(笑)。で、反町先輩から勝つことが出来て本当に嬉しいです(笑)。

ー井手口選手を先発させた理由と評価を。

理由は…ケガあけで7試合は酷かな、と。できれば少し休ませたい…といっても、大事な選手なので、外せないところもあるのですが、陽介も本当によくやってくれたと思います。前回の昨年の鹿島で万博でデビューしましたが真っ白になって何も出来なかったと言っていましたが、今日はしっかりやってくれた。今ちゃんは体調が悪い訳でもなく、単に少しでもあの2人は休ませたいという思いでしたが…やっとさんまで休ませる展開にはさせてもらえなかったということです。

ー米倉選手のケガの状態について分かる範囲で教えてください。

ガンバにはいつも4〜5人、優秀なドクターがいらっしゃるんですが(笑)、膝については、今の見解だと大丈夫そうです。足首をもしかしたらやっているかもしれないということは言っていましたが、本人も、終わったあと大丈夫ですといって歩いていたので。明日の状態みてですね。前十字を痛めたかなと思いましたが、そこはいまのところ…優秀なドクターの見解なので大丈夫だと思います(笑)。

ー山雅との試合は2年前に2度戦いました。それぞれ主軸となるメンバーは変わらない中で、対戦してみて変化は感じましたか。

FWオビナがいるのは今の山雅にとって大きいのかな、と。彼が前でボールをおさめますし、起点にもなっている。また幅がひろがっているんじゃないかと思います。今日は、MF喜山選手がボランチにいなかったのは大きかったはずだと思います。彼がいたらもっとアグレッシブなサッカーになったと思うので、そういう意味では少しうちにとってはラッキーなところもあったんじゃないかと思います。ただ、山雅のいいところは変わらないというところで…言い方はいいかわからないですが、愚直に自分たちのサッカーを貫いてやっている、と選手にもしていました。やはり、一回で相手のとどめをさしたり急所をついたりできるので、20回やっても19回はずされれば諦めるチームが多い中で山雅はそれをやり続けて、1回をものにして勝ち点を奪っていけるチームだと思います。そのへんは2年前と全くかわらないし、より、そういう部分は洗練されてきたんじゃないかと思います。

ー宇佐美選手の6試合連続ゴールについての評価を。

本当によく仕事をしてくれていると思います。今日も入りは難しい展開でしたが、貴史のゴールで流れを引き寄せることができた。やはり、点を獲るというのは一番難しい仕事だと思いますから、それをしっかりと6試合も続けてやってくれている、と。これは何よりも仕事をしてくれていると思います。

●FW宇佐美貴史

(ゴールシーンについて)パトに出して、パトが声を出しながら走っていっているのがわかったので、パトが直接打つとか、もう一度2対1にして返してもらってワンタッチで決めるとか、そういう間のパスを出せればと思っていたので、ショートカウンターでいい崩し方ができたなとは思います。(パトがそのまま打つかなと思いませんでしたか?)打ってくれても全然よかったんですけどね。しっかり返してくれたのであのへんがパトもわかっているというか…厳しいところで後ろでポンと落としたり中を冷静にみて、いいパスを出してくれたりするんですごくありがたいし、チャンスメイクをしてもらっているので感謝しています。(宇佐美選手が1人でもいけたと思いますが、パトに出したという意味では彼に帯する信頼感も高まってきている、と?)すごいいい距離であがっていっているのは分かっていたし1人でいってもシュートまでいけたと思いましたが、相手はそういうことを想像しているだろうなとも思っていたので、あえてそこは簡単にはたいてまた中に入って行く方が効果的じゃないかと思いましたし、パトのほうがいい状況で打てるんじゃないかと思ったら結果的にまた返してもらったので。

ー連戦の厳しい中で、総力戦でチームとして結果が出せたのが一番の収穫だと思いますが。

そうですね。この2つは監督からもずっと言われていましたが、ホーム2連戦が1stステージでどういう位置にいけるかという2試合になると言われていたので。日程も厳しく、フィジカルコンディション的にもメンタルコンディション的にも厳しい中でなんとか2連勝で乗り越えられたのは勢いが出ると思うし、もう少しサッカーの質をあげれれば尚いいし、大差でもっと早くにゲームを終わらせることが出来れば理想ですけど、ただ勝ち点3をしっかりとれたのは素晴らしいことだったと思います。

ー井手口選手が1年ぶりの先発に。1年前、鹿島戦で30分で代えられた時は宇佐美選手から声を掛けてもらったという話もしていた。その中で迎えた今日の試合、試合前に彼に声を掛けたりもしていたのでしょうか。

いや、声をかけることもないというくらい出来て当然の選手だし、むしろ遅いくらいだと思うので、また彼が出て来てボランチの争いに食い込んでいけばチームとしても層が厚くなるし、まだ若いのでね。僕も若いですが、チームにはそういう若い選手が勢いをもたらすことがすごく大事だし、陽介も今日を経験してまた1つ皮を破ってやってくれればいいなと思います。

ー監督は「点を獲るという一番難しい仕事をしてくれている」と評価していましたが。ご自身でも難しいことをしているという感覚はありますか?

それ以外のところは今日もあまりよくなかったし、もっともっとやれるところもあったし、攻撃のチャンスをいろんな形でいろんなポジションで演出しながらも得点を挙げられるプレーができれば一番だし、それが出来ていないという意味ではなんともいえないというか、もっともっとやらなくちゃいけないという気持ちにはさせてもらっています。ただ最低限結果を残せているというところはポジティブに捉えたいと思います。

ー内容が良くなくても勝ち点3を獲れるという今のガンバの強みをどのあたりに感じていますか?

しっかり守備もやっていますし、去年から引き続き僕ら前が1点獲れればゼロで我慢してくれるので、僕らは前でみていてもすごく安心してみていられるし、プラス、そこで前の選手が守備に貢献しながら、前の選手が守備の選手を追い越していくような動きも出せているので、両方のポジションの選手が支え合いながらできているので。でも本当に前は後ろに、後ろは前に、気持ちを持ち上げられるようなプレーが、お互いのためにやりあえているので、それが一番いいんじゃないかと思います。

ー次、ゴールをとれば最高のステージでクラブ記録更新が待っていますね。

6試合連続はこれまで6人いたのでね。7試合目に高い壁が待っているんだと思うし、7試合目がいないというのはそういうことだと思うので、そういう未知の領域にチャレンジできるというのは、僕としては新たなチャレンジですし、そこで決めることができれば1人になるんで。7試合連続は。その響きは悪くないし、嫌いじゃない響きなのでそれを達成できれば、かつ、チームが勝つようにしっかりと2つを両立したいと思います。

ー浦和戦にむけて。

楽しみですし、ACLがああいう展開で終わりましたが力のあるチームだと思うので、簡単な試合にはならないと思いますが、僕らの質をしっかりみせれれば勝てると思います。

●MF井手口陽介

−約1年ぶりの先発でした。緊張はしましたか?

前に比べるとそんなにしなかったけど、やっぱり最初は少し緊張しました。今日は自分がどうこうよりチームが勝てたのが一番かなと思います。攻守両面で貢献できるようなプレーが出来れば、と思っていました。昨日の紅白戦でいきなりっていう感じでしたが心構えはある程度できていたので。(スタートから飛ばして配分せずに、という感じ?)そうですね。(公式戦では遠藤選手とボランチを組むのは初めてでしたが)キックオフの前にグラウンドで自由にやっていいから、って言われていたので。あとは二人一緒にあがらないようにはしよう、ということは言われていたので、結構自由にやることができました。(厳しいところをカバーに入ってもらったりしていましたが、一緒にやってみてどうでした?)そうですね。本当に僕が自由にやらせてもらいながらも、カバーとかもかなりしてもらっていたので、すごい心強かったです。(鹿島戦から約1年、自分なりの変化は感じられましたか?)1年前は何もできなかったので、1年前に比べると少しは出来た気もしますがまだまだ足りてないですね。ただ1年たって、気持ち的にも失敗を怖がらずに「失敗してもいいからやっていこう」と決めて臨んでいたので、そのへんは少し当時とは変化した部分かなとは思います。

ー少し試合の中でポジショニングを迷うというか迷子になるようなシーンもあったように見えましたが。

そうですね。そういうところでまだ周りを見れてないシーンも多かったので。もう少し自分の中で余裕をもって出来るようになれば自分のプレーもまた変化していけるのかなとは思います。

●DF丹羽大輝

連勝といわれていますけど、もっともっと普通にガンバのサッカーを出来ればもっともっと連勝を重ねられるようになるかなとは思います。今のガンバはゼロで抑えれば絶対に前が1点は獲ってくれるというのはあるので。それは去年の末もそうですが、お互いの信頼関係で、前の選手はゼロで抑えてくれれば絶対にとってくれるという信頼関係があるので。去年3冠したときもそういう雰囲気でやれていましたしね。前は後ろがおさえれば1点獲れると思ってくれていると思いますし、そういうチームとしての信頼関係ができている。今日も僕は1点獲ったあと、ゼロで抑えるだけだと思ってやっていましたし、イメージどおりかなとは思います。ただ2〜3点目とれるチャンスがあったのでそこで獲れれば良かったですが、苦しい時間帯もしのいで、相手がパワープレー気味になって、こっちがほぼ弾き返して、そのセカンドでカウンターで終わらせるっていうのが理想だったんですけど、そこは次への課題ということで。でも楽しくはできました。

(井手口選手が約1年ぶりの先発でした。後ろから見ていてどうでしたか?)試合前にいろいろ話をしてあげて、ミスしてもいいし、パスミスも何回してもいいぞ、と。お前がミスしても俺らがしっかり守るからミスを恐れずにやれって話をしましたし、生き生きと…最初少しミスがありましたけど、時間とともにあいつらしくプレーしていたと思うし、やれていたと思います。ただ、本来のポテンシャルを考えればもっとやれるというのはあると思うので。試合感だったりというがついてこればそれも変化してくると思いますし、今日はJリーグデビューだったと思いますが、勝てたのは大きいと思います。去年のナビスコに比べてもいいプレーがたくさん出来ていたと思うので。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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