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有馬記念、競馬クイズ王の国会議員とベテラン俳優に聞く「とっておきの推し馬」と筆者の見解

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2017年の有馬記念。優勝は武豊騎乗のキタサンブラックだった。(写真:中原義史/アフロ)

2018年の有馬記念は実に難解

 いよいよ中央競馬の冬のグランプリ・有馬記念を迎える。数あるレースの中でもいちばんお祭り感が強いレースだが、特に今年は障害界の絶対王者であるオジュウチョウサンが平地初GI参戦しており話題に事欠かない。その一方で、ジャパンカップを制し歴史的名馬になるであろう3歳牝馬アーモンドアイは回避。2017年のダービー馬で今年の天皇賞(秋)を制したレイデオロが人気を集めているが圧倒的な人気というほどではない。

 今年の有馬記念は実に難解である。

 そこで今回は競馬が大好きで、かつとても研究熱心でいらっしゃる著名なお二人に"有馬記念の推し馬"について伺った。

柿沢未途さんの有馬記念の推し馬は?

柿沢未途氏とオルフェーヴル(柿沢氏提供)
柿沢未途氏とオルフェーヴル(柿沢氏提供)

 まずは、衆議院議員の柿沢未途さん。柿沢氏は大学生時代から熱心な競馬ファン。東京大学ホースメンクラブという競馬サークルに所属し「カルトQ」というマニアックなクイズ番組で競馬の回に優勝した経歴を持つ。

「血統オタクなんです。学生時代はプラザエクウス等で穴があくほど血統書を読み漁りました。その集大成がカルトQでの優勝だったように思います。」

 現在は北海道の生産者の方々と深く交流を持つなど、さらに深く競馬の世界に入り込んでいらっしゃる。そんな柿沢氏の有馬記念の推し馬を伺った。

柿沢未途氏
柿沢未途氏

「モズカッチャンです。日本競馬の将来と血統の多様性を考えて導入したであろうハービンジャー産駒に注目しているんです。さらに牝馬というのがいいですね。エネイブル、アーモンドアイなど、世界的にも牝馬の活躍が目立っています。有馬記念はその年を象徴する結果が出るはずですので、モズカッチャンから目が離せません。

 同じくハービンジャー産駒のブラストワンピースも気になります。今年は何かすごくビックリするようなことが起きる気がします。」

宮川一朗太さんの有馬記念の推し馬は?

宮川一朗太さんと愛馬コートシャルマン。中山競馬場にて(宮川さん提供)
宮川一朗太さんと愛馬コートシャルマン。中山競馬場にて(宮川さん提供)

 続いて、映画やドラマでご活躍の俳優の宮川一朗太さん。1991年から2006年までの15年間、京都と阪神開催の競馬中継「ドリーム競馬」(関西テレビ)の総合司会を務められていた。ダービー馬・ネオユニヴァースの一口会員であり現在も会員ライフを楽しまれている。

「今年の有馬記念はちょうど収録なのでライブでは見られないので、仕事が終わってから楽屋でレースのVTRを見るのを楽しみにしているんですよ。」

 宮川さんは最近は3連複フォーメーションに凝っているという。有馬記念もモチロンこの戦法で狙うそうだ。

「まず1頭軸を決めて中堅人気の馬を3、4頭を2頭の軸へ。そこから抑えたい馬へ流して12~20点くらいで狙います。これだど、配当的に30~40倍くらいの妙味も狙えるので楽しいし、当たる確率も3連単より高い分じっくり楽しめます。」

宮川一朗太さん
宮川一朗太さん

 ポイントは2頭目の軸の取捨とのこと。

「6、7番人気くらいの馬を数頭入れるんです。有馬記念ならミッキースワローを狙ってます。ジャパンカップでは上がり最速。中山ではセントライトを勝っているし、AJCCも2着。うまく立ち回ってくれると思います。

 夢の有馬記念ですからね。1頭目の軸はレイデオロで行くと思いますが、そこから"おや、面白いかも?!"とワクワクしたくなる馬を絡ませて、良き有馬記念にしたいですね。」

僭越ながら、筆者の有馬記念考察

キセキ(筆者撮影)
キセキ(筆者撮影)

 最後にわたくし花岡からも少々。キセキを推したいところだが、枠順が外側に入ったのが気になる。川田騎手はデビュー時から逃げて勝つときのペース配分が絶妙に素晴らしい騎手なので、どの枠に入ろうと上手に導いてくれると思う。ただ、キセキ自身に何ともいえない運のなさを感じるのだ。2012年の有馬記念では父・ルーラーシップが出走。いくら豪快な末脚を武器としても、痛恨の出遅れ癖もあって"負けて強し"の競馬しかできなかった。この秋、キセキが並々ならぬポテンシャルの高さを披露したのは言うまでもない。ただ、どれも勝ちきれなかったのも事実だ。最後の最後で運がついてくるといいのだが。

パフォーマプロミス(筆者撮影)
パフォーマプロミス(筆者撮影)

 パフォーマプロミスはかつては脚元に多くの不安を抱えていてなかなかデビューが出来なかった馬。「ここを勝てなければ引退」と言われている"スーパー未勝利"という崖っぷちのレースを勝ち上がり、這い上がっていた苦労馬だ。しかし、「いまようやく完成の域にきた」と指揮官である藤原師が言う。競走成績は地味だが、自分のペースでひとつづつステップを上がってきた馬だけに侮れない。

オジュウチョウサン(筆者撮影)
オジュウチョウサン(筆者撮影)

 オジュウチョウサンは平地での実績が足りない分、甘くみられるのがいい。かつて宝塚・有馬の両グランプリを制したメジロパーマーの再来もあると思う。メジロパーマーの主戦騎手だった山田大泰元騎手は言う。

「障害馬だからとナメられるのがいいんです。それまでにどれだけ強い競馬をしていても"元障害馬"というレッテルから必要以上にマークされない。その分、こっちはラクに逃げられますからね。」

 オジュウチョウサンの武豊騎手も「スタミナを生かす競馬をする」と宣言している。少なくともレース中何度か、あわよくばゴール前にオジュウチョウサンに「あっ!」と言わせられるシーンが見れるはずだ。

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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