新型コロナウイルスの変異株が地球上で猛威を振るっている。世界各地で1日当たりの感染死者数が過去最多を更新している。

●ロシア

ロシアの新型コロナ対策危機センターは6月27日、首都モスクワの1日当たり感染死者数が過去最多の114人に及んだと発表した。モスクワで1日当たり100人を超える感染死者を出したのは初めてだ。

直近一週間のロシア全体の感染死者数も週ベースで過去最多の3921人に達した。国営イタル・タス通信によると、ロシアではインドで最初に確認され、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」による感染が急速に拡大している。

ブルームバーグのワクチン・トラッカーによると、ロシアで27日時点で少なくとも1回のワクチン接種を受けた人口の割合は14.3%にとどまり、日本の20.3%よりも低くなっている。国産ワクチンのスプートニクVへの根強い不信感が背景にあるとみられる。

●タイ

タイでは26日、感染死者数が51人となり、1日当たり感染死者数が23日と並んで過去最多となった。タイは4月初めからコロナ感染の第3波に見舞われている。やはりデルタ株が急速に拡大しており、保健省が懸念を示している。デルタ株の流行に備え、1人当たり計3回のワクチン接種を検討していると報じられている

●バングラデシュ

バングラデシュの保健当局は27日、1日当たりの感染死者数が過去最多の119人になったと発表した。これまでの最多は4月19日に記録した112人だった。同国第3の都市、クルナでの感染が目立っており、死者は119人中32人に及んだ。バングラデシュでもデルタ株が確認されている。

●オマーン

中東オマーンの保健省は27日、過去3日間の感染死者数が過去最多の119人を記録したと発表した。同期間での感染者数は5517人だった。オマーン当局は週末には、1日当たりの感染死者数や感染者数を発表していない。

ただ、保健当局者はアブダビ拠点のメディア「ザ・ナショナル」の取材に対し、「平均で言えば、1日当たりほぼ40人の死者、1839人の感染者に当たる。この週末以前に、1日の死者数が40人に達したことはなく、極めて高い数字だ」と話した。

●コロンビアとアルゼンチン

南米コロンビアでも26日、過去最多の693人の感染死者数が発表された。コロンビアの感染死者数は累計で10万人を超えている。

一方、同じ南米のアルゼンチンでは22日、過去最多の792人の感染死者数が発表された。感染死者数は累計で9万人を超えている。

南米ではペルーで最初に見つかった新たな変異株「ラムダ」が流行している。世界保健機関(WHO)は14日、ラムダ株がこれまでにチリやペルー、エクアドル、アルゼンチンなど南米を中心に29カ国で感染が確認されていると発表し、「注目すべき変異株」(VOI)に指定したばかりだ。

このほか、アフガニスタンも16日、1日当たり感染死者数が過去最多の94人になったと発表した。

●インドネシアとチュニジアは感染者数が過去最多

インドネシアは26日、1日当たりの感染者数が過去最多の2万1095人になったと発表した。医療体制のひっ迫が報じられており、感染拡大を抑え込むことが急務となっている。インドネシアでもデルタ株の流行が懸念されている。

北アフリカにあるチュニジアも26日、1日あたりの感染者数が4664人に達し、過去最多を記録したと発表した。新規の感染死者数は90人で、同国の感染死者数は累計で1万4000人を超えている。

ソウルにあるミズメディ・ウィメンズ病院の内科医を務め、韓国の新型コロナウイルス専門家として知られるタン・ヒョンギョン氏は筆者の取材に対し、「デルタ株の出現はパンデミックの風景を変えてしまった」と指摘する。「デルタ株は感染力が増し、より深刻な重病をもたらし、ワクチンの予防効果を低くする」と話した。

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