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カナダのトルドー首相「イランがウクライナ機を撃墜」

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
カナダのトルドー首相(写真:ロイター/アフロ)

カナダのトルドー首相は1月9日、イランの首都テヘランの空港近くで墜落し、乗客乗員の計176人全員が死亡したウクライナ国際航空の旅客機は、イランによってあやまって撃墜されたとの見方を示した。

トルドー首相は記者会見で、「我々の同盟国や我が国独自のインテリジェンス(機密情報)を含め、複数の情報源からインテリジェンスを得ている。その証拠はウクライナ機がイランの地対空ミサイルによって撃墜されたことを示す」と指摘し、「これ(=撃墜)は故意ではなかったと思われる」と述べた。

トルドー首相は「このニュースは疑いようもなく、言葉を絶するほどの悲劇に見舞われ、すでに深い悲しみの中にいる遺族へのさらなるショックをもたらす」と述べ、沈痛な表情で遺族へのいたわりの気持ちを示した。死亡した176人のうち、カナダ人はイラン人の82人に次ぐ、63人に及んでいる。

一方、米CBSニュースやニューヨークタイムズ紙も9日、ウクライナ機はイランによってあやまって撃墜された可能性がある、と伝えていた。

(関連記事:墜落のウクライナ旅客機はイランが撃墜か。米CBSニュースやNYタイムズ紙が報道。イランは強く否定 - Y!ニュース

墜落したのは、ボーイングの小型旅客機「737-800」型機。イランのメディアは技術的な問題が原因と伝えていた。このため、イランによるアメリカへの報復攻撃とは無関係との見方が広がっていた。ウクライナのプリスタイコ外相のツイッターでの発表によると、国別の死者数の内訳は、イラン人82人とカナダ人63人のほかに、ウクライナ人11人、スウェーデン人10人、アフガニスタン人4人、ドイツ人3人、英国人3人となっている。日本人はいなかった。

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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