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第一次世界大戦後の列強による支配構造の完成(4)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

さて、英露の緩衝国として国境線の確定したアフガニスタンであったが、その内実は心もとなかった。というのは、アフガニスタンは多くの山国と同じく、山国ゆえに外部からの侵略には強かった。だが、内部の統一は難しいからである。極端な言い方をすれば、盆地ごとに様々な民族、部族、宗派が居住してまとまりが悪かった。面積が65万平方キロメートルで日本の約1.7七倍、人口が3千万で日本の4分の1弱のこの国の最大の民族はパシュトゥーン人である。パシュトゥーン人は、いわゆるアフガン人のことで、これがアフガニスタンという国名の由来となっている。「スタン」というのは、「~人の土地」というほどの意味を持つペルシア語である。この地域にはパキスタン、ウズベキスタンなどのスタンという名の国が多い。しかし最大民族といってもパシュトゥーン人も人口の4割程度を占めるにすぎず、ウズベク人、タジク人、ハザラ(ハザーラ)人などのマイノリティーが生活している。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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