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トランプ政権と中東(4)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

 それからトランプという人物がイスラエル寄りであるという理由ですね。その一つは福音派の票が欲しいということですが、もう一つはトランプとイスラエルとの強い人間関係です。「人脈」があるのですね。その人脈の例を一つ二つ紹介したいと思います。一番強い人脈はお嬢さんです。イヴァンカさんの結婚相手はジャレッド・クシュナーというユダヤ人です。このイヴァンカさんは、相手のクシュナーがユダヤ教徒だということで、ユダヤ教に改宗しているのです。クシュナーもニューヨークの不動産屋です。ですから、トランプと同じ業界の人です。ただ、ニューヨークにお住まいになった方はご存知だと思いますが、トランプの父親はクイーンズで主として商売をしました。だから東京で言えば23区じゃないですよ。山手線の内側じゃないわけです。クシュナーの方はマンハッタンで勝負していましたから、1ランク上です。1ランク上のビジネスです。トランプは自分の代になってマンハッタンに進出しました。このクシュナーの一族がイスラエルと強い関係があるわけです。特に今の首相のネタニヤフという人と関係が深い。ネタニヤフが最初に国際社会にデビューしたのはイスラエルの国連大使としてでした。ネタニヤフはアメリカ育ちですが、ニューヨークに国連大使として戻ってきます。国連での仕事というのは各国のレセプションに出て、カクテルを飲んでお喋りをするというのが重要な仕事なのですが、ネタニヤフはあまりそれに熱心ではありませんでした。アメリカを一生懸命に旅行して回って、アメリカ中のユダヤ人のお金持ちのネットワークを作り上げて、「私は政界に打って出ようとしています。よろしくお願いします」と。お金をくれる人のネットワークを作りあげました。そのネットワークの重要な一員がクシュナー家、クシュナーのお父さんだったわけです。それである時、ネタニヤフがクシュナーの家に食事に呼ばれて、クシュナーのお父さんが「ネタニヤフさん、今日はうちに泊まっていけよ」と言って、ネタニヤフは「では泊めていただきます」と言ってクシュナー家に泊まることになったのです。ところが、ベッドルームが足りないということで、まだ子供だったクシュナー坊やのベッドを取り上げて、そこにネタニヤフが寝て、クシュナーはロビーのソファで寝るということがありました。ですから、このネタニヤフとクシュナーは同じベッドで寝た仲なのです。中国の故事成語に「同床異夢」という言葉がありますが、クシュナーとネタニヤフはイスラエルがパレスチナ人の占領地をどんどん奪っていくことに関しては意見が合っている。二人はそういう意味で「同床異夢」ではなくて同「床」同夢なのですよ。ですから、やはりトランプ政権とイスラエルは非常につながりが深い。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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