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「春の国士舘」が10年ぶりセンバツ甲子園出場!永田監督「強いと思っていないところが強み」

高木遊スポーツライター
喜びを爆発させる選手たち(筆者撮影)

 2019年1月25日、阪神甲子園球場で行われる第91回選抜高校野球大会(以下センバツ)の出場校が発表され、国士舘(東京)が2009年以来10年ぶりとなる9回目の出場を決めた(夏は甲子園1回出場)。

胴上げで宙を舞う永田昌弘監督(筆者撮影)
胴上げで宙を舞う永田昌弘監督(筆者撮影)

 率いるのは永田昌弘監督。中京(現中京大中京)、国士舘大、東京ガスで内野手として活躍し、1983年に26歳の若さで国士舘の監督に就任。1991年春のセンバツで初出場し4強に進出すると、1993年にも4強へ進出した。以降もセンバツ出場に計7回導き「春の国士舘」を印象付けた名将だ。2006年から2014年までは国士舘大で監督を務め、2016年秋から高校の監督に復帰した(2009年春の甲子園は現部長の箕野豪監督時に出場)。

 昨秋の東京大会を制し、久々の出場となる永田監督は「初出場のような気持ち」と素直な心情を明かした。永田監督の野球、そして国士舘の伝統的な強みになっているのは走塁と守備だが「足の速い選手は少ないし、守備の偏差値は外野手が15、内野手が35くらい」と手厳しい。

 松室直樹主将も強みを聞かれると「国士舘史上最弱チームと言われてきたのでメンタルとチームワークです」と苦笑いで答えたほどだ。だからこそ永田監督は「強みは“自分たちが強い”と思っていないところでもあるし、そんなチームで優勝したからこそ“やればできる”と成長している」と、選手たちのたくましさを感じている。

 学校として節目となる春夏合わせて10回目、永田監督としては9回目の甲子園に向けては「これだけ甲子園から離れていたので初出場のようなもので10回目という数字は気にしていないです。選手たちには“甲子園に出るべきチーム”という言動を求めていきたい。力のあるチームではないので、まずは1勝したいです」と、試合時と変わらぬ落ち着いた表情で謙虚に抱負を語った。

「春の国士舘」復活へ、まずその一歩を踏み出した選手たちのさらなる成長した姿を楽しみにしたい。

180cm台後半の大型遊撃手として注目の鎌田州真は、侍ジャパンU-15代表でともにプレーした星稜の内山、萩原、寺西を強く意識。「同じレベルで戦えるのは嬉しい」と笑顔で話した(筆者撮影/2017年)
180cm台後半の大型遊撃手として注目の鎌田州真は、侍ジャパンU-15代表でともにプレーした星稜の内山、萩原、寺西を強く意識。「同じレベルで戦えるのは嬉しい」と笑顔で話した(筆者撮影/2017年)
スポーツライター

1988年10月19日生まれ、東京都出身。幼い頃から様々なスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、ライター活動を開始。大学野球を中心に、中学野球、高校野球などのアマチュア野球を主に取材。スポーツナビ、BASEBALL GATE、webスポルティーバ、『野球太郎』『中学野球太郎』『ホームラン』、文春野球コラム、侍ジャパンオフィシャルサイトなどに寄稿している。書籍『ライバル 高校野球 切磋琢磨する名将の戦術と指導論』では茨城編(常総学院×霞ヶ浦×明秀日立…佐々木力×高橋祐二×金沢成奉)を担当。趣味は取材先近くの美味しいものを食べること(特にラーメン)。

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