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完全復活に前進!“怪腕”スアレス155キロで3連続K「90%」

田尻耕太郎スポーツライター
復帰2戦目は1回3者連続三振の快投(筆者撮影)

本多、江川が2打点

6月7日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで広島と対戦した。

【6月7日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,475人】

広島     000203000 5

ソフトバンク 100002020 5

<バッテリー>

【C】薮田、加藤、飯田、中田――坂倉

【H】スアレス、笠原、大竹、野澤、飯田――堀内、谷川原

<本塁打>

【C】永井1号

<戦評>

 ソフトバンクは2点ビハインドの8回に追いつき引き分けに持ち込んだ。1番・本多がこの日2打点目となるタイムリーを放ち追撃すると、2死二塁から3番・江川のライト前へ運ぶ同じく2打点目のタイムリーで同点とした。

 先発のスアレスは1回で予定通り交代。3者三振の快投だった。2回から笠原、4回から大竹が登板した。いずれも雨天中止の影響で先発機会がなくなり中継ぎでマウンドへ。好投して再び先発機会をアピールしたいところだったが、いずれも失点を喫してしまった。一方、3番手の野澤は1回3分の1を打者4人できっちり抑えた。(了)

スアレス、球威も制球力も↑

 

 剛腕スアレスが5月24日以来、右肘手術後2度目のマウンドに上がった。

 復帰初戦は1回3安打2失点と今ひとつの内容だったが、この日は見違えるような快投を見せた。先頭の庄司には粘られるも10球目、この日最速タイの155キロが内角に決まり空振り三振。2番・小窪と3番・バティスタに対しても決め球はいずれもストレートで、この2人からは3球三振を奪ってみせた。球の威力はもちろん、制球力も前回に比べて格段に良くなっていた。

 完璧すぎる1イニング3連続奪三振。登板後のスアレスも「前よりも感じは良くなった」とご機嫌な様子。1軍昇格の準備完了を100だとすれば、「自分の感覚的には90%くらいの状態まで上がってきている」と答えた。

夏戦線のキーマンに

 今季のソフトバンクのブルペン事情を考えれば一刻も早く戦列に加わってほしいところだが、現在はまだリハビリ段階。斉藤学リハビリ担当コーチも「まだもう少し時間がかかる」と話した。

 スアレス自身も「残り10%は投球を重ねること。明日、明後日の回復も見ながら」と慎重な姿勢は崩さない。とはいえ、ホークス球団史上最速の161キロをマークした実績を誇る右腕は順調に前進している様子。夏場のチームが苦しくなる時期に万全の状態で戻ってくれば、昨年のようにソフトバンクが一気に浮上するチャンスがかなり拡大するはずだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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