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ソフトバンク釜元が教育Lでサイクル安打達成!由規&村中から打った

田尻耕太郎スポーツライター
サイクル安打達成直後のソフトバンク釜元(筆者撮影)

黒瀬が決勝打。ソフトバンクようやく1勝

10月12日、福岡ソフトバンクホークスは、宮崎で行われている秋季教育リーグのフェニックスリーグで東京ヤクルトスワローズと対戦した。

【10月12日 フェニックスリーグ 西都】

ソフトバンク 100000321 7

ヤクルト   001300000 4

<バッテリー>

【H】中田、飯田、二保、野澤――九鬼

【S】由規、菊沢、村中――古賀

<本塁打>

【H】釜元

決勝打を含む3打点の黒瀬
決勝打を含む3打点の黒瀬

<戦評>

ソフトバンクが宮崎入りして4試合目で初勝利を挙げた。初回、釜元の本塁打で先制。その後逆転されて3点差をつけられたが、7回に黒瀬、九鬼のタイムリーなどで追いつくと8回にまたも黒瀬が勝ち越しの2点タイムリーを放った。9回はジェンセンの二塁打で追加点を挙げた。

先発は中田。高村一軍投手コーチも視察する中でCSでのベンチ入りをアピールするためのマウンドだったが、乱調に終わった。立ち上がりこそ無難だったが、3回は3連続四球の後に暴投で失点する独り相撲。4回は2死走者なしから突如乱れて連打の嵐を浴びた。

一方で2番手の飯田が好投。5回途中2死一、二塁から登板して3球三振でピンチを乗り切ると、その後2イニングも無安打に抑えた。3番手の二保も1回を打者3人できっちり抑えた。(了)

釜元「サイクル安打は人生初です」

夜間練習の成果をさっそく発揮
夜間練習の成果をさっそく発揮

6年目外野手の釜元豪がサイクル安打を達成した。

3番ライトで先発出場し、初回にヤクルト先発由規から右翼席へ先制本塁打。2打席目は右前打、3打席目は右翼線に三塁打を放った。8回、4打席目が回ってきたが四球。記録達成は難しいと思われたが、9回に5打席目が回ってきて、見事左翼線二塁打でサイクル安打を決めてみせた。

「人生初です。小学校とかでもない。もともとホームラン打者じゃないので、ノーチャンスでした(笑)」

最終打席は意外にも意識はせずに臨んだというが、「周りからはヒット性は全部二塁まで行けよ」とハッパを掛けられていた。左翼線への打球はフライとなり「捕られる」と思ったそうだが、落ちた瞬間を見届けると「よっしゃ」と全力疾走で二塁へ到達した。

前日の試合では5打数ノーヒット。わずか2日間で地獄と天国を見た。

前日5タコから一転、なぜ快挙?

今日のスコアブック。汚い字でスミマセン!
今日のスコアブック。汚い字でスミマセン!

「昨日の夜間練習が良かった。昨日は打席で体が流れてしまっていた。それを修正して、今日の練習から感じが良かった」

ソフトバンクの外野手争いは12球団屈指だ。10月8日、一軍の今季最終戦で昇格して1打席に立ったが、三振に倒れた。昨年も一軍では1打席1三振と結果を残せていない。

だが、この日は3安打を由規から放ち、最後の二塁打は左腕の村中から放った。どちらも一軍実績十分のピッチャーだけに価値がある。

「ストレートへの対応が課題。ファームでも真っ直ぐの空振り率が高いんです。とにかくバットに当てないと、何も起こらない。秋はその課題をクリアできるようにしっかりと練習します」

今季、2年連続でファーム盗塁王に輝いた俊足という大きな武器があるだけに、打撃力を磨けば来季の競争に十分入っていけるはずだ。

※文中写真、筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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