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セ・リーグ2度目の快挙(!?)ならずも、勝利数でパを上回る

田尻耕太郎スポーツライター

ソフトバンク松田、あと「3cm」にサヨナラ弾阻まれた

またまたまたまた…。ここ5試合で4度目の延長を戦ったソフトバンク。5時間17分の死闘は結局12回引き分けに終わった。12回裏、1死から松田がセンターへ大飛球を放った。松田はサヨナラ弾を確信したように一塁を回ったところで右手を掲げたが、打球はバックスクリーン手前のフェンス最上部に当たって跳ね返った。長いビデオ判定も行われたが、やはりオーバーフェンスはしておらず結果はツーベース。試合後、記者取材を終えた秋山監督はちょうど通りかかった松田に「ウエイト、ウエイト! あと3cm」と少し明るく声を掛けたが、松田は硬い表情で俯いたまま。徒労感がひしひしと伝わってきた。

史上2度目のセ6球場制覇もまた、あと一歩のところで

一方で、仮にだがヤクルトが勝っていれば、交流戦史上2度目の出来事となるところだったのだ。この試合が決着するまでに他の5球場ではすべてセ・リーグが勝利していた。6試合すべてでセ・リーグが勝利となれば、2008年6月18日以来となるところだった。

ちなみに、当時のスコアは以下のとおり

巨2-1オ

ヤ3-2ソ

横4-1ロ

中3-2西

神8-1楽

広2-1日

(※左側がホーム)

そして、今日が以下のとおり。

日1-4神

楽1-4広

西4-8中

ロ0-1D

オ1-2巨

ソ3-3ヤ

(※同)

6試合のうち4カードが同じというのは、偶然とはいえおもしろい。

ただ、快挙(?)こそならなかったが、この日でセ・パの勝利数が逆転した。「セ30勝、パ27勝、引き分け3」だ。

個人成績を見ても、セ・リーグが奮闘しているのが分かる。昨年は打率20傑のうちセ・リーグ選手は5人のみ。ルナの6位が最高だった。だが、今シーズン(前日の5月31日までを参考)は首位打者に.486で鳥谷(阪神)が立っているのをはじめ、上位21人(17位タイ)の中の9名がセ・リーグの選手と、ほぼ互角。投手成績でも昨シーズンは防御率の上位6人までパ・リーグが占めていたが(7位は巨人の菅野だった)、今季は上位10傑のうち5人がセ・リーグ投手である。

まだ折り返し地点も迎えていない交流戦だが、今後もセ・リーグがどこまで奮闘するか、目が離せない戦いが続きそうだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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