10/21ついにnanacoとWAONがiPhone対応

本日(記事掲載日である2021/10/21)、iPhoneに大きな変化がありました。それはnanacoとWAONがiPhoneにも対応したことです。

電子マネーとして国内有数の利用を誇るnanacoとWAONですが、多くはプラスチックのICカード利用によるものです。

以前からAndroidスマホについては、おサイフケータイ対応であればモバイル化することができたのですが、iPhoneは未対応でした。

nanacoやWAONは、FeliCaつまり「おサイフケータイ」の機能がなければ使用することができない電子マネーです。

同様の仕組みを使うスマホの電子マネーとしてはモバイルSuica(PASMOも)、楽天Edy、QUICPay、iDがあります。このうち、ApplePayにクレジットカードを登録することでQUICPay、iDはすでに使用可能です(どちらかが自動的に設定される)。

また、モバイルSuicaについてはiPhone7発売時に対応したと大々的に宣伝されたとおり、iPhoneのFeliCa対応の目玉でした。

ところが、nanacoやWAON、楽天EdyはFeliCaの同じ陣営でありながら、iPhone対応してきませんでした。それどころか、PASMOのモバイル化ではiPhone対応に先行されていたのです。

それがようやく、今日から「iPhoneでもnanaco・WAON」になります。

「iPhoneシェアが高い」「おサイフケータイ対応必要」の日本ならではの事情も

そもそも、FeliCaの仕様は日本独自のものなので、グローバル展開するスマートフォンには不要な部品です。実際、海外展開がメインの台湾メーカーや中国メーカーのAndroidスマホでは、超高機能スマホでありながらおサイフケータイ非対応ということがあります。

しかし、iPhone7以降はFeliCaチップを組み込んでいますから、本来nanacoとWAONも使えたはずです。

nanacoとWAONにとってはある意味iPhone対応は悲願でした。というのも、日本ではICカードを軸にした電子マネーの普及が先行していました。これをスマホに置き換えたのがおサイフケータイ機能でしたが、ここではAndroidスマホの対応が先に進み、iPhoneは遅れていました。

日本は諸外国と比べ、iPhoneが高いシェアを持っていますので(また学生など若い世代の支持も強い)、iPhone未対応というのは競争にマイナスでした。

ようやく対応した事情は表には出てこないものの、なんとか、nanacoとWAONはモバイルSuicaとiPhone上で競争できるようになったわけです。

既存ユーザーには福音だが、新規設定のニーズは低いか?

それぞれ、アプリを用意しており、AppStoreからダウンロードのうえ設定するとApple Payで利用できるようになります。すでにカードをお持ちの場合は、読み取りをして残高やデータを引き継ぐこともできるようです(ただし、カードは廃棄することになる。高齢者お得なGGWAONなども取り込めるよう。シニアnanacoについては執筆時点で明記がない)。

nanaco https://www.nanaco-net.jp/app/

WAON https://www.waon.net/campaign/202110_waonacp/

WAONは初期キャンペーンとして1万円チャージした先着10万名に500ポイントプレゼントのキャンペーンを行うようです(要応募。詳しくは上記リンクを)。

さて、イオンが生活圏内にある場合、イトーヨーカドーやセブンイレブンの利用が多い場合などは、今回のApple Pay対応、iPhoneでの支払いへの変更に検討の余地があります。

イオンおよびイトーヨーカドーは、特定日にWAON、nanacoで決済をするとポイント還元率が上がりますし、キャンペーン商品についてポイント付与を行うことがあります。イオン、イトーヨーカドー、セブンイレブンの店頭ではSuica決済ができますが、「あえてnanaco、WAONをスマホに設定する」価値があるわけです。

自分の生活圏内でnanacoやWAONの利用シーンがあるか、まずは考えてみましょう。すでにICカードでnanacoやWAONを持っている場合は、スマホ移行を検討してみるといいでしょう。

一方で、イオンやイトーヨーカドー、セブンイレブン利用があまり多くない人にとっては「お得度」と「利用シーン」はどうでしょうか。

すでにiPhoneで設定できるモバイルSuicaないしPASMOが使える場合、交通系カードはnanaco、WAONの利用店舗は基本的にカバーされています。交通機関などnanaco、WAON未対応店舗でも使える分、利用シーンはより広くなっています。

基本還元率においては、SuicaもしくはQUICPay、iDで得られるnanaco、WAONはどちらかが大きく上回るわけではありません。むしろViewカードと連携したモバイルSuica(1.5%相当)や高還元率のクレカを設定したQUICPay、iD(例えばVisaLINEPayクレジットカードをiDで使うと2.0%還元)のほうが上回ることもあります。

設定の有無を決めるカギはやはり「イオンに行くか」「セブンイレブンやイトーヨーカドーに行くか」となりそうです。

楽天Edyは対応するのか 楽天Payがあればいい?

ところで、ひとつ気になることがあります。それは楽天Edyが今回の対応に含まれていないことです。

そもそもがおサイフケータイに対応するハードウェアなのですから、すべて対応してもよさそうなものですが、最初はSuica、QUICPay、iD対応からスタートし、PASMO、nanacoとWAONが追加されてきましたが、最後に残るのは楽天Edy陣営です。

過去のニュース記事を検索すると、何らかの交渉があることは事実のようですが関係者は明言を避けています。

楽天については、QRコード決済の「楽天Pay」が一定の普及をみており、こちらはiPhoneでも設定できます。そして一定のシェアを獲得しています。コンビニなど利用可能店舗も多く、無理をして対応しなくてもいいという含みもあるかもしれません。

現金を持たない「完全キャッシュレス生活」へ

さて、私たちにはなじみのあったnanacoとWAONがiPhoneで使えることは、キャッシュレス決済の利用を加速することになりそうですが、これは「スマホのみで完結」する完全キャッシュレス生活の一歩でもあります。

Apple Payにクレジットカードを登録していれば、現金を介さずにnanacoやWAONにチャージができます。オートチャージについてはアプリ経由で系列のクレカのみを指定する仕組みのようですが、そのつど数千円のチャージをするだけでもそう手間はかかりません。

「現金をATMで下ろす」→「レジでチャージを依頼し現金をわたす」→「キャッシュレス決済」というのは、考えてみると「キャッシュレス」ではありません。スマホを使えばそこが省略できるようになるわけです。クレカのポイントも貯まります。

今回のiPhoneのnanacoやWAON対応をきっかけに、さらにお得かつ便利な「完全キャッシュレス生活」に切り替えてみてはどうでしょうか