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ロックダウン解除から第2ステージに入るパリ 公園とカフェのテラスがいよいよ再開へ

鈴木春恵パリ在住ジャーナリスト
再開初日朝のリュクサンブール公園(写真はすべて筆者撮影)

フランスでは5月11日にロックダウンが解除になり、様々な制限が緩和されたが、5月28日に行われた首相と大臣らによる会見で、6月2日からその第2段階に入ることが発表された。

前回の記事の中で、感染と医療体制の状況によって地方を「赤」と「緑」で色分けし、それに即した制限緩和になることをお知らせしたが、今回のアップデートされた地図では「赤」のゾーンがなくなった。ではすべて「緑」になったかといえばそうではなく、イルドフランス(首都圏)と海外県のマイヨットとギュイアンヌが「オレンジ」の注意ゾーンになっていた。

5月28日に首相官邸で行われた会見で、制限解除第2段階の内容が示された。左がエドゥアール・フィリップ首相、中央はオリヴィエ・ヴェラン健康大臣。(5月29日付『ル・フィガロ』紙面から)
5月28日に首相官邸で行われた会見で、制限解除第2段階の内容が示された。左がエドゥアール・フィリップ首相、中央はオリヴィエ・ヴェラン健康大臣。(5月29日付『ル・フィガロ』紙面から)

では、6月2日から具体的に何が変わるのか、主な変化は次の通りだ。

●国内での外出制限がなくなる。

ロックダウン中は自宅から1キロ圏内、そして5月11日からは100キロ圏内という制限があったが、それが撤廃される。

●カフェ、レストラン、バーの営業再開が可能。

ただし、オレンジゾーンではテラスのみの営業。グリーンもオレンジでも、テーブルの間隔は最低1メートルはあけること。従業員は全員マスク着用。客も席を移動する際にはマスク着用といった条件つき。

●すべての小中学校が再開可能。

グリーンゾーンは中学のすべての学年、さらに高校も徐々に再開。オレンジゾーンの中学は低学年優先。ただし、いずれも教室の生徒数は一度に最大15人までという措置は変わらないので、全員が同時に登校できるというものではない。

●公園の再開。

これは6月2日に先駆けて、3連休初日の5月30日土曜日から適用された。

●美術館、モニュメントの再開。

●海岸、湖の再開。

●プール、スポーツジム、アミューズメントパーク、劇場の再開。

ただし、オレンジゾーンは6月22日から。

●映画館が6月22日から再開。

なお、公共の場での10人以上の集会、スポーツの団体競技や接触を伴う競技は依然として禁止で、ディスコ、ゲームセンター、競技場、競馬場の閉鎖は継続。国境閉鎖も少なくとも6月15日までは継続される予定になっている。

また、いわゆる新型コロナウイルス追跡アプリ「STOP COVID」が6月2日から導入されることになった。陽性反応がでた人と1メートル以内の距離で15分以上接触していたことが確認されると、アプリで通知が届くというもので、希望者は無料でダウンロードできる。こうしたアプリの導入についてはプライバシーの問題が議論されていたが、会見で首相は、匿名性が保たれ、国がデータを追跡できるものではないという点を強調した。

さて、筆者を含めパリに暮らす多くの人たちが待っていたのが公園とカフェの再開だ。5月11日以降制限が解除になっても、そのふたつが欠けているのは、街にぽっかり穴が開いているのも同然。それが再開されることは、街が新たに息を吹き返すというくらいの大きな変化だと思う。

ほぼ2ヶ月半ぶりに扉を開いた公園の朝の風景をお届けしつつ、今回のレポートを締めくくりたいと思う。

パリ在住ジャーナリスト

出版社できもの雑誌の編集にたずさわったのち、1998年渡仏。パリを基点に、フランスをはじめヨーロッパの風土、文化、暮らしをテーマに取材し、雑誌、インターネットメディアのほか、Youtubeチャンネル ( Paris Promenade)でも紹介している。

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