井笠鉄道記念館が存続へ 地域の結束が自治体を動かす

存続へ動き出す"井笠鉄道記念館(岡山県笠岡市)"

7月末まで多忙につきご無沙汰してしております。

8月から本格復帰するつもりです。

今回は取り急ぎ、3月にここに書いた記事のフォローアップです。

どうなる井笠鉄道記念館 - 鉄道資産を観光に活かすために -(Yahoo!個人:杉山淳一)

この記事で存続を祈念した井笠鉄道記念館について、笠岡市が存続を検討しているそうです。

井笠鉄道記念館保存へ 笠岡市、取得に前向き(山陽新聞)

やっと自治体が動いてくださるようで、ほっとしました……といっても、もう今年度の自治体の予算は決まってしまっただろうし、「税金を投入して破綻した会社の資産を買い取る」形になります。臨時予算確保のために議会の承認が必要でしょう。喜ぶにはちょっと早いかもしれません。しかし、自治体が動き出したとは朗報です。ぜひ実現していただきたいです。

この事例にはひとつ教訓があります。

記事にあるように、地元の自治会が管理主体になる方針を打ち出しました。これが重要です。私が笠岡市に問い合わせた当時は、「具体的な提案がなければ動けない」という回答でした。

井笠鉄道の管財人から「買い取りませんか」とか、現在の現地管理者の元駅長さんから要望があるとか、とにかく、提案がなければ、自治体は検討すら始められません。趣味的な案件ということもあり、自治体が主体となって音頭をとりにくいでしょうね。電話の向こうの声にも、そんな含みがあるように感じられました。

今回、笠岡市が動いたきっかけは、地元の新山地区の自治会が意見をとりまとめ、要望したからです。

破綻した会社の物件を買い取る提案や、個人の要望では動けない。しかし、自治会、つまり、市民の要望とあらば、耳を貸さなくてはいけません。それが自治体の本業というものです。笠岡市役所の担当者も「なんとかしてあげたい」と思いつつ、このきっかけを待っていたのではないかと推察します。

個々が直接要求するたけではなく、自治会などが地域の取り組みという意志を見せて、さらに管理責任を負う。ここまで動けば、自治体は無視できません。各地の鉄道遺産、あるいは、鉄道だけではなく、町の小さな歴史遺産も、この手順で自治体と交渉すれば、保全の道は開けるでしょう。その意味で、井笠鉄道記念館は良い教訓を残してくれそうです。

笠岡市やその周辺には、他にも井笠鉄道の遺跡があります。今後は各地の自治会とも連携して、周遊できる観光資産として広報宣伝などを実施したら良いと思います。

とりあえず、記念館の付近には休憩、飲食できる施設が必要でしょう。お向かいの農協さんに協力していただいたらいかがでしょう。地産地消のスイーツ、ランチもよいと思います。新山自治会は、お土産を開発し、その収益で保全費用を捻出しましょう。Webサイトを作り、お土産は通販でも買えるようにしたいですね。

笠岡市としては、カブトガニのほかにもう一つ、全国から観光客を集める資源を手に入れるわけです。今後の観光事業の発展に期待します。

井笠鉄道記念館で保存展示している蒸気機関車。西武山口線で走った時代もありました。
井笠鉄道記念館で保存展示している蒸気機関車。西武山口線で走った時代もありました。

これから記念館へ行こうという方のために、現地へのアクセスを紹介します。

私が訪問した時は、井笠バスカンパニーが発足したばかりで不案内でした。現在はWebサイトに詳しい情報があります。

・井原鉄道矢掛駅からバスで行く場合

  井笠バスカンパニー笠岡~矢掛線 井原線矢掛駅バス停→新山バス停

  井笠バスの新山バス停は下の地図の"新山小学校"の少し南側です。

・井原鉄道小田駅からバスで行く場合

  井笠バスカンパニー笠岡~矢掛線 小田中バス停→新山バス停

  井笠バスの新山バス停は上の地図の"新山小学校"の少し南側です。

  小田中バス停の新山方面行きは、下の地図の小田駅近くの信号付き交差点の西側、お寿司屋さんの前です。(セブン-イレブンの前にあるバス停は逆方向です)

・大阪から高速バスで行く場合

  中国バス カブトガニ号 大阪駅前(東梅田)→新山

  中国バス

  新山バス停は井笠鉄道記念館のスグそばです。

井笠鉄道記念館-観光百科事典(笠岡市)