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「アンドレ・ウォードこそが自分のロールモデル」 シャクール・スティーブンソン(アメリカ)インタヴュー

杉浦大介スポーツライター
Photo By Mikey Williams/Top Rank Boxing

シャクール・スティーブンソン(アメリカ/20歳)

Shakur Stevenson

 ニュージャージー州ニューアーク出身。リオ五輪バンタム級銀メダリスト。 五輪後、フロイド・メイウェザー(アメリカ)のTMTプロモーションズ入りが噂されたが、最終的にはマネージャーはアンドレ・ウォード(アメリカ)、プロモーターはトップランクという体制で今年4月にプロデヴューを果たした。サウスポースタイルのスキルフル&スピーディなボクシングが売りで、これまで4戦4勝(2KO)。今回のインタヴューは、大きな注目を集めたワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)対ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)のアンダーカードで行われたプロ4戦目(オスカル・メンドーサ(アメリカ)に2回TKO勝ち)の前に収録された。

プロの良さはお金をもらえること

ーー4月にプロデヴューしてから半年以上が経ちましたが、ここまでをどう振り返りますか? 

SS : 思った通りに来ていますよ。だいぶプロでの感触を掴んできたんで、今後にもっと良くなっていけると思います。

ーープロボクシングとアマチュアボクシングの違いはどこに感じますか? 

SS : 最大の違いは、プロでは試合をすればお金がもらえることです。ファイトして稼げるというのは良いものですね(笑)

ーーなるほど(笑) 

SS : あとはグローブもかなり違います。アマと比べてプロは小さいので、あんなグローブで放たれるパンチは受けたくないといつも思っています。ただ、自分はプロボクシングの世界がすでに気に入っているのも事実です。 

ーープロキャリア開始後に見えてきた自分の長所は? 

SS : 賢明に戦えることです。リング上で自分の知性を生かせること。これまでその点で負けたと感じたことはまだありません。自分はスマート(聡明な)・ファイターという自負がありますし、そうやって戦い続けるつもりです。 

ーー課題を挙げるとするならば? 

SS : もっと強靭さが必要だとは思います。ただ、それは年齢を重ね、身体が大きくなるとともに身についていくはず。いずれもっと強くなれると信じています。 

ーー最初の3戦で1KOのみという結果は不満ですか? 

SS : いえ、例えばフロイド(・メイウェザー(アメリカ))のキャリアを見てください。テレンス・クロフォードも同じ、彼らはキャリア初期にいきなり多くのKOを手にしていたわけではありません。1ラウンドでKOしてしまうより、ラウンドを重ねる中で学べることもたくさんある。だからKOの数に関しては気にしていません。

注・実際にはメイウェザーはデヴューから7戦中6戦がストップ勝ちだった。クロフォードは最初の6戦中KOは2つだけ。

いつかコンランとMSG大アリーナで戦いたい

ーー現在は126パウンドリミットのフェザー級で戦っていますが、普段の体重は?

SS : 134~135パウンドくらいですね。

ーーアンドレ・ウォードがマネージャーを務めていることでも話題になってきました。どんなアドバイスを受けているんですか?

SS : リング内外で多くのアドバイスをもらっています。1つ言えるのは、彼は僕にとって素晴らしいロールモデルだということ。彼が到達した高みに辿り着きたいと思っているし、そんな存在がいることは幸運だと思っています。

ーープロ4戦目はロマチェンコ対リゴンドーというビッグファイトのアンダーカードですが、メインに登場する2人の凄いと思う点は? 

SS : ロマチェンコのフットワークは本当に素晴らしいですね。リゴンドーのディフェンス技術は飛び抜けており、パンチを当てるのが極めて難しい選手です。

ーー同時期にプロ入りしたマイケル・コンラン(アイルランド)とは良い友人同士のようですが、それでもいずれ対戦したいと考えているんですか? 

SS : いつか戦いたいですね。マディソン・スクウェア・ガーデンで実現させ、大アリーナをソールドアウトにしたいです。凄いショウを見せたいですね。ただ、個人的には今日、明日戦っても構わないし、勝てるという自信はあります。

ーー2018年は何戦くらいを予定していますか?

SS : 可能な限り頻繁にリングに立ちたいです。トップランク次第ですが、6、7戦は行ってキャリアを前に進めていきたいと思っています。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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