近藤芳正の初主演映画『野良犬はダンスを踊る』『失恋殺人』『CRAZY-IZM クレイジズム』『僕の中のオトコの娘』に続き、窪田将治監督にとって4度目となるモントリオール世界映画祭正式出品作の完成披露試写会が、7月26日に渋谷ユーロライブで行われ、近藤芳正、加藤慶祐鈴木勝吾久保田秀敏柳英里紗、監督の窪田将治が登壇した。

近藤芳正、初めてづくしの初主演映画

本作は、人生の黄昏時を迎えた殺し屋を描くハードボイルド。

「映画初主演です。初ハードボイルドで、こういう高倉健さんみたいな寡黙な役をやったのは初めてです。ベッドシーンもちょっとやらせていただきました」と近藤が挨拶で触れたように、ベテラン俳優にとって初めてづくしの作品。

「まずは近藤さんありきでスタートした企画。近藤さんが僕と仕事やってくれるって話になったときに、じゃあ、近藤芳正どうしたろかみたいなところが一番僕の闘いであって。近藤さんの年齢とか、初主演ということとか考えながら、これまでにないセクシーでチャーミングな近藤芳正が出ればなという思いのなか、やること詰め込んだ」と窪田。

左から久保田秀敏、加藤慶祐、近藤芳正、鈴木勝吾、柳英里紗、窪田将治監督。
左から久保田秀敏、加藤慶祐、近藤芳正、鈴木勝吾、柳英里紗、窪田将治監督。

窪田の狙いどおり、近藤が演じる黒澤は淡々と仕事をこなすプロフェッショナルなたたずまいがとってもセクシー。それでいて、年齢による衰えを意識するあたりの中年男ぶりがせつないのもたまらない。

しかも、黒澤の部下を演じる加藤慶祐、鈴木勝吾。黒澤が惹かれるホステス美織が働くクラブのボーイ役の久保田秀敏、と脇を固める若手はイケメン揃いときている。

全員が体当たり

美織役の柳英里紗が、「全員が体当たり映画だなと思いました。血糊あり、アクションあり、近藤さんの濡れ場あり、私もあり」と試写を観た感想を話していたが、現場もかなり熱かったよう。

「監督が若者を鍛え上げる場ということも考えていたみたい。そのへんの演技指導とか熱心にされていました。非常に熱い現場でした」と近藤が振り返るように、若手男優陣はかなり鍛えられたことを告白。

「最初の日に家に帰って久しぶりにベッドから1時間ぐらい放心状態で動けないというのを経験しましたね」と加藤。

「何回、“勝吾、違うやろ“と言われたか。厳しいといえば厳しいのかもしれませんが、ほんとに愛のある方で、僕のなかですごく大切な現場になった」と鈴木。

「僕が一番何テイクも撮ったんじゃないかなと思いました」という久保田は、初めてという絡みのシーンで監督からダメ出しが出続けたことを明かす。

「そこがいちばん何テイクも撮りましたよね。もうガチギレなんですよ、監督。で、そこで撮影止まったりして。休憩挟んでもう一回行こうと。僕も妥協はしたくないので、あそこが一番苦労しましたね」と続ける鈴木に、「やっぱ、慣れたふうに見せたいからな(笑)」と窪田がツッコミを入れる一幕も。

「(監督は)女の子には優しいです。でも、男性陣に厳しいゆえに、女子は戦場で戦う男性たちを助ける気持ち。今日、映画を観て、監督がピリっとした空気を出してくれてるから、女の子たちが(空気を)和らげようとしてるような雰囲気が出てる気がして」と柳が話したように、窪田に鍛えられた加藤、鈴木、久保田は、黄昏時を迎えた黒澤とはまた違う、20代ならではの焦りや苛立ちを抱えたまったくタイプの違う3人の男のリアルを感じさせてくれる。

世界を目指して書いた脚本

8月に開催される第39回モントリオール世界映画祭のフォーカス・オン・ワールドシネマ部門への正式出品が決まっている本作。

「これをきっかけにして、いろいろ刺激的な出会いが増えていけばいいなと思っています。ほんとに監督に感謝しています」という近藤。「日本の映画が向こうで上映されると、反応が日本と違ったりするということを聞くので。僕は自分の出た映画で外国の映画祭に行ったことはないので、どういう反応なのか、それがいちばん楽しみです」と期待も話していた。

「生まれて初めて、世界を目指そうというので書いた作品」と近藤初主演映画に込めた思いを語った窪田は、「これがある程度売れてくれないことには」としながらも“黒澤シリーズ”の構想があることも明かしていた。

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『野良犬はダンスを踊る』は、10月10日(土)より渋谷ユーロスペース他、順次公開

配給:FAITHentertainment クラスター

(c)「野良犬はダンスを踊る」製作委員会