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新たな熱帯低気圧が発生し北上へ、台風5号よりも影響拡大か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風5号と低圧部の雲(ウェザーマップ)

台風5号は中国大陸へ

台風5号の予報円(ウェザーマップ)
台風5号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

台風5号は非常に強い勢力に発達し、フィリピンのすぐ北の海上を西寄りに進んでいます。今後はあす27日(木)からあさって28日(金)にかけて台湾の西海上を北上し、中国大陸に上陸したあと、熱帯低気圧に変わる見込みです。

石垣島などに近づくおそれは、ほぼなくなりましたが、大型の台風で強風域が広いため、先島諸島は強風や高波などに警戒が必要です。(気象庁発表の情報

新たな熱帯低気圧が発生へ

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみると、台風5号の東側のフィリピンの東海上にまとまった雲があり、低圧部が解析されています。低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきりと分かるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。熱帯低気圧からは台風が発生することが多くあるため、低圧部はいわば台風のもとになるような存在です。

気象庁の予想天気図によると、この低圧部は今夜26日(水)午後9時までには熱帯低気圧となり(TDマーク)、あす27日(木)にかけて、ゆっくりと北上する見込みです。その後の公式的な予想はまだ気象庁からは発表されていませんが、諸外国を含むほとんどのモデルが台風の勢力に発達する計算となっています。

強力な台風として、来週の週明けに沖縄付近へ?

台風と思われる熱帯低気圧(ウェザーマップ)
台風と思われる熱帯低気圧(ウェザーマップ)

上図は日本のGSMモデルの最新の計算です。新たに発生する熱帯低気圧は台風と思われる勢力に発達し、来週の週明け、31日(月)から8月1日(火)頃に、沖縄付近へ北上する予想です。

このあたりの計算は諸外国を含む多くのモデルで比較的揃っている状態ですが、沖縄付近から中国大陸に進むか、九州付近へ曲がってくるかなどは、太平洋高気圧の盛衰に左右されるところが大きく、計算がばらついている状態です。

海水温は30度前後

海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)
海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)

現在フィリピンのすぐ北にある台風5号は、海水温が30度前後あるフィリピンの東海上で、大型で非常に強い台風へ発達しましたが、新たに発生が予想される熱帯低気圧が北上する海域も30度近くあり、特に日本の南海上から沖縄付近は30度以上と平年よりも高くなっています。

かなり強力な台風として沖縄付近へ進んでくる可能性も考えられますので、今後の情報に十分ご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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