■承認欲求が満たされない!

管理職になるとそれまでよりも同じ立場の人が少なくなるので、誰も相談する人がいないというのはよくあることですが、辛いですよね。

人間は他者からの「承認」(正当だと認められること)による癒しが必要だからです。どんなに有能な人でも、世界のすべてを理解できているわけではありませんし、自分の行うこと全てが100%正しいと思えるわけではありません。

そして、そこにある迷いや不安を埋め合わせてくれるのが他者からの「承認」です。有名なマズローの「欲求5段階説」でも「承認欲求」を人間の基本的欲求の4段階目としています。

■「正解がわからないこと」ほど、他者の承認が必要

それでも、何らかの法則やノウハウなどにのっとってやれば必ず結果が出る「正解がわかっていること」であれば一人でも自信を持って遂行していくことができるかもしれません。

しかし、仕事では事前に「正解がわかっていること」よりも「やってみなければわからないこと」も多いものです。一人で逡巡していても、わからないものはわからないのですから、とっととやってしまえばよいのですが、それができれば苦労はしません。

そこで、「私も君の考え方は正しいと思う(本当にそうかはわからないけど)」という「承認」によって誰かに背中を押してもらって勇気を出すことがさらに重要になるわけです。

■社内にいなければ、社外に出よう

でも、社内にはそんな人はいない。そんな時どうすればよいのでしょうか。

私が最初にお勧めするのは、社外の似たような立場の人に相談することです。日本には何百万も会社があるわけですから、「社内で似たような立場の人がいない」という自分と似たような立場の人はたくさんいるはずです。

様々なビジネスコミュニティ(オンライン・オフライン問わず)に参加してみるのもよいでしょうし、夜のスナックやバーなどで集まってきた人の中から似たような立場の人を探してもよいかもしれません。特に、マスターやママさんは、基本的には管理職や経営者のような方々ですから、彼らに相談してもよいかもしれません。

■無責任な後押しでも、役に立つ

しかも、社外の人はよくも悪くも無責任です。発言に責任を持たなくてもよいために、きっとあなたの悩みや愚痴に対して肯定的に接して、「承認」をしてくれることでしょう。

「正解」が必要な場合は無責任な肯定や承認は害になることもありますが、そもそも「正解がないこと」であれば、必要なのは「よし、やろう!」と思うパワーだけです。

どうせ人は結局、自分が正しいと思えることしかしません。世の中のほとんどの相談は、本当にわからないことを人に尋ねるのではなく、自分が考えていることを後押しして欲しいだけのことが多いのですから、パワーさえもらえればよいかもしれません。

■匿名の場に質問を投げかけてみてもよい

ただ、本当にどうすればよいかわからない場合も、もちろんあると思います。相談する側に自分の意見が無い場合、後押しするものがないので、社外の人たちはそれほど強いアドバイスができないこともあります。

そういう時は匿名でアドバイスがもらえる場に、悩んでいることや質問を投げかけてみてはどうでしょうか。LINEのグループチャットやYahoo!知恵袋など、匿名で質問ができるようなネットサービスもたくさんあります。

ただ、こういう匿名サービスには攻撃的な人がいたり、肯定して欲しいのに否定ばかりする人がいたりするので、それらをスルーする力がない人にはあまりお勧めしません。

■経営者も、昔は自分と同じ立場だった

それでもモヤモヤが消えない場合、どうすればよいか。

それは、昔、自分と同じ立場であった先輩、つまり今の経営陣に相談するのが一番です。確かに、自分の悩みは経営陣にとっては瑣末なことに思われそうで相談しにくいと思います。しかし、創業社長を除けば、経営層といえども昔は孤独な中間管理職であり、小さい悩みが積み重なっていくストレスも経験しているはずです。そして今は、経営層は部下が距離を置こうとする寂しさを味わっていたりします。

部下である中間管理職の人からの相談は、そういう彼らには迷惑ではなく、むしろうれしいことです。そう信じて、最後は思い切って経営層に相談してみましょう。

OCEANSにてマネジメントに関する連載をしています。こちらも是非ご覧ください。