Yahoo!ニュース

8年目で初めてプレイオフに出場する3Pの名手

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 NBA選手となって8年目のバディ・ヒールドが、ついにプレイオフ進出を決めた。バハマ出身のヒールドはバスケットボールで身を立てるため、大学入学時に祖国を離れ、アメリカに移り住む。

 オクラホマ大のシューティング・ガードとして鳴らし、2016年NBAドラフトの1巡目6位でニューオーリンズ・ペリカンズにコールされ念願のプロ入り。だが、ルーキーイヤーの途中でトレードされ、サクラメント・キングスの一員となる。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 初年度は、2チームをまたぎながらもNBAのレギュラーシーズンである82試合、2年目は80試合に出場したヒールド。3年目で全試合スターティングメンバーとしてコートに立ち、存在感を示す。

 2021年2月28日、ヒールドはデビュー以来通算1000本の3ポイントシュートをマークした。同記録を打ち立てるに要したゲームは350で、史上最速での達成だった。そんな実力者であっても、プレイオフは遠かった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 2022年2月8日にはインディア・ペイサーズに移籍。同年の12月5日、彼の3ポイントは1500に到達した。ステフィン・カリーに次いで、NBA史上2番目に早く、この記録を生んだ男となった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 そして、今季の2月上旬、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのユニフォームを纏う。シクサーズの大黒柱であるジョエル・エンビードが1月30日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で左膝の外側半月板を損傷し、手術を余儀なくされた直後のことである。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f80851d382eb68967d2ecfe2e4583c9778b5a1e3

 ヒールドは今シーズン、通常の82試合よりも2試合多くプレーしている。シクサーズが、トレード期限が切れるギリギリの段階で彼を獲得した為だ。この段階におけるフィラデルフィアのスケジュールは、インディアナのそれよりも2試合多く組まれていた。

 こうして、ヒールドは公式に84試合でプレーし、NBA史上、ワンシーズンで11番目に出場が多い選手となった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズは現地時間の4月17日、ホームであるウェルズ・ファーゴ・センターでマイアミ・ヒートを105-104で下し、東地区第7シードに滑り込んだ。大黒柱の不在で苦しんできたシクサーズだが、エンビードは現地時間4月2日に復帰。ヒールドと共にプレイオフ出場を決めた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズは間もなく、今季2位のニューヨーク・ニックスとの戦いが始まる。ヒールド、そしてエンビードの闘志に期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事