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初回で決着がついたWBA/NABAウエルター級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
David Martin-Warr / DKP

 1ラウンド、2分57秒で試合を決めたトレシャーン・ウィギンスは言った。

 「こんなに早く試合を終わらせられるとは思わなかった。これまでにKO負けの無い強敵なので、こんな結果は予想もしていなかった。勝利を信じていたが、長丁場の仕事に備えていた。

 タイトル獲得を狙っている。タイトル戦が決まらないなら、挑戦者決定戦に出たいね」

David Martin-Warr / DKP
David Martin-Warr / DKP

 9度目のKO勝ちを飾ったニューヨーク在住のサウスポーは、33歳。2019年にペンシルベニア州スーパーライト級タイトルを獲得したが、その後2試合連続でドロー、そして黒星と低迷期に入った。

David Martin-Warr / DKP
David Martin-Warr / DKP

 それでもリングにしがみつき、2021年8月14日以降、今回で5連勝、そのうちの3度がKO勝ち。まさに、ベテランの星となっている。

 ドン・キングにチャンスを与えられたウィギンスは、今後、どんなリング生活を送るのか。

写真:ロイター/アフロ

 それにしても、今年の1月21日にフロリダ州マイアミでWBA/NABAゴールド・ヘビー級タイトルマッチを催し「ウクライナの自由と平和のために、私はこの試合を企画した」と豪語していたキングが、2023年も意気軒昂に仕事をやり続けた。

 92歳にしてプロモーターを続けている点が驚きだ。やはりタフな男である。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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