Yahoo!ニュース

92歳のドン・キングが売り出す9連勝中のライト級

林壮一ノンフィクションライター
Credit David Martin-Warr / DKP

 WBC空位インターナショナル・ライト級タイトルマッチは、アントニオ・ペレスがハスキル・ローデスに判定勝してベルトを獲得した。ジャッジ3名全員が、100-88であった。

 勝者は9戦全勝5KO、敗者は29勝14KO6敗1分けとなった。

Credit David Martin-Warr / DKP
Credit David Martin-Warr / DKP

 ペレスは振り返った。

 「最初の数ラウンドは僕が思っていた通りに進んだけど、その後、彼が少し息を吹き返したね。彼は私よりもキャリアがあるので予想通りの展開だったが、なんとか切り抜けて最終ラウンドで彼を捕まえられた。

Credit David Martin-Warr / DKP
Credit David Martin-Warr / DKP

 ローデスが強いことは知っていたが、私を倒すには十分じゃなかった。彼のような選手に勝てて素晴らしい気分だ。ああいう選手を下すのは難しいからね」

 アントニオ・ペレスはアンヘルと双子の兄弟で共にプロボクサーである。プエルトリコの血を引き、ペンシルベニア州出身だ。

 アンヘルのアマチュア戦績は、68勝8敗。ジュニアオリンピックでは3位となり、6度ペンシルバニア州のゴールデングローブチャンピオンとなっている。

 アマチュア時代に76勝8敗だったアントニオは、アンヘルよりもパンチがあるとされている。アントニオはジュニアオリンピックで2度優勝し、プロ転向前は、全米ランキング1位だった。

Credit David Martin-Warr / DKP
Credit David Martin-Warr / DKP

 2人のペレスはアイ・オブ・ザ・タイガー・マネージメントが力を入れて売り出していたが、今回はドン・キングの興行に出場した。悪徳プロモーターとして名を馳せる92歳は、今後もペレスを扱っていくのか。あるいは、ペレスが他のプロモーターと契約を結ぶのか。

 見応えのある135パウンドの選手だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事