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IBFスーパーライト級チャンピオン

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 2020年2月22日にプロ生活唯一の黒星を味わったスブリエル・マティアス(31)。7ラウンドにダウンを喫しての10回判定負けだった。その後、4連勝してIBFスーパーライト級タイトルを獲得。去る11月25日に初防衛戦を迎えた。

 挑戦者は23戦全勝20KOと勢いに乗る、ウズベキスタン人サウスポーのショージャホン・エルガシェフ(31)。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 プエルトリカンであるチャンピオンは、「危険な挑戦者」を実に巧みに料理した。打ちのめし、心を砕き、圧倒したのだ。

 負け知らずで、KOを逃したことが3回しかないエルガシェフだったが、6ラウンド開始のゴングが鳴ってもコーナーから出ず、試合を棄権。正式なノックアウトタイムは、6ラウンド2秒であった。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 勝者は言った。

 「ファーストラウンドにエルガシェフのパンチを受けた時、彼には私をノックアウトする力がないことが分かった。それで攻撃に転じた。サウスポーと戦う折、スタイルを見極めるのに3~4ラウンドかかる。今夜の内容は、起こり得ることさ」

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 足を痛めたという敗者は、次のようにコメントした。

 「最後の2ラウンドはリング上で動けなかった。怪我をしてからは攻撃力が発揮できず、足も疲れてしまってゲームプランを貫けなかった。守備もできなくなってしまった。最初の2ラウンドのようにリング上を動き回ったり、アングルを考えた攻撃も出せなかったね」

 王者はテオフィモ・ロペス、ジャーボンテイ・デービス、デヴィン・ヘイニーらとの対戦を希望している。140パウンド(63.5kg)も人材が揃ってきた。生き残るのは誰か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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