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WBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級タイトルマッチのレフェリー

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey(Premier Boxing Champions)

 <The Third Man>と呼ばれるボクシングのレフェリー。この職業にもかなりの優劣があるが、本来は裁判官の顔を持つ人がいたりして、取材者としては、そんな事実に触れるのが楽しい。

Esther Lin/SHOWTIME 9/26にラスベガス入りしたカネロ
Esther Lin/SHOWTIME 9/26にラスベガス入りしたカネロ

 今週末に催される、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級タイトルマッチ、サウル・“カネロ”・アルバレスvs.4冠スーパーウエルター級チャンピオン、ジャーメル・チャーロ戦のレフェリーが正式に発表された。

Esther Lin/SHOWTIME チャーロは154パウンドのベルト4本を返上しないまま2階級上のタイトルに挑む
Esther Lin/SHOWTIME チャーロは154パウンドのベルト4本を返上しないまま2階級上のタイトルに挑む

 ネバダ州アスレティック・コミッションは、ラスベガスのTモバイル・アリーナで行われる同ファイトの”ザ・サードマン”に、ニュージャージー州のハーベイ・ドックを任命した。ドックは今日のボクシング界で、最高レベルのレフェリーと認識されており、2023年は既に、テレンス・クロフォードvs.エロル・スペンス・ジュニア戦、そして、デビン・ヘイニーvs.ワシリー・ロマチェンコ戦を裁いている。

Ryan Hafey(Premier Boxing Champions)
Ryan Hafey(Premier Boxing Champions)

 エセックス大で、ジャーナリズムを専攻していたドックは、1993年と1994年にニュージャージー州アマチュア王者となっている。1996年の自国開催だったアトランタ五輪出場を夢見ていた。

Ryan Hafey(Premier Boxing Champions)
Ryan Hafey(Premier Boxing Champions)

 それにしても、今年のメガ・マッチにこれほど起用されるというのは、信頼を勝ち得ている証左だ。カネロvs.チャーロ戦でも、いい仕事を期待したい。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 カネロは言った。

 「メキシコ国民からの愛とサポートを感じており、国を代表することを誇りに思う。100%の準備が出来た。今回は違うカネロをお見せする。チャーロはボクシングを知っている素晴らしいファイターで強い。そして、失うものが何も無い。彼はすべてを勝ち取るために私のクラスに転向してきた。が、自分は長い間この立場にを守って来た男だ」

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 チャーロも話した。

 「ファンはカネロこそ世界最高だと思っているが、俺はここで自分がベストだと示してみせる。飢えた犬のように戦うよ。カネロを倒した後、世界が『チャーロ、チャーロ!』」と叫ぶだろうな。今度は俺の番だ。俺の時間なんだ。輝いてやるぜ!」

 

 さて、どんなファイトとなるか。今日は、前日計量だ。

 

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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