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44歳となった元WBCヘビー級チャンプが4連敗

林壮一ノンフィクションライター
David Martin-Warr / DKP

 2014年5月10日にクリス・アレオラを6回KOで下してWBCヘビー級王座に就いたハイチ出身のファイター、バーメイン・スタイバーン。戴冠から8カ月後に組まれた初防衛戦で、デオンテイ・ワイルダーに判定負けしてあっさりとベルトを手放してしまう。2017年11月4日に組まれたワイルダーとの再戦では、初回KO負け。

 その後も2019年2月23日、2021年1月29日と不定期ながらリングに上がっては、ノックアウトで敗れた。

 44歳となったスタイバーンが、先日2年ぶりにリングに上がった。

David Martin-Warr / DKP
David Martin-Warr / DKP

 ピークを過ぎた"元世界チャンピオン"が、かつての名を買われてヤングファイターの咬ませ犬となるー--ボクシング界ではよくある話である。

 今回のスタイバーンの相手は18勝(10KO)1敗2分けの33歳、ジョナサン・ギドリー。体も絞れず、タプタプとした贅肉を揺らしながらリングを彷徨うかのように動くだけの元王者は、11歳下のギドリーに91-100、91-100、93-97で黒星を喫した。

David Martin-Warr / DKP
David Martin-Warr / DKP

 

 スタイバーンは直近の6戦では5敗を喫している。これ以上現役を続けるのは危険だと感じざるを得ない。が、同ファイトのプロモーターは、91歳となったドン・キングだ。まだ元チャンピオンにこうした試合を用意しそうな気がしてならない…。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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