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追悼:ペレ、The Undisputed King of Soccer

林壮一ノンフィクションライター
(写真:Action Images/アフロ)

 2022年12月29日に82歳で永眠したペレ。彼がサッカー史上、最高の選手であることは、説明の必要がないだろう。

 現地時間の来週月曜日に、サントスのエスタディオ・ウルバノ・カルデイラ(通称ビラ・ベルミロ)にて通夜が開かれ、およそ24時間、弔問に訪れる人々とのお別れの時を持つそうだ。その後、棺はエキュメニカル・ネクロポリス・メモリアルに運ばれ、埋葬されるスケジュールが組まれた。

写真:ロイター/アフロ

 悲しみに暮れるファンたちは、既にペレが活躍したサントスの街に集まり、故人を偲んでいる。

写真:アフロ

 1956年、15歳でプロとなったペレは1958年のW杯スウェーデン大会で優勝。まだ17歳で、つい数年前までストリートサッカーに明け暮れる少年だった。

 が、準々決勝のウェールズ戦でワールドカップ初ゴールをマークすると、準決勝のフランス戦でハットトリック、決勝のスウェーデン戦でも2得点と、計6得点を挙げ世界のトップに躍り出る。

写真:Action Images/アフロ

 その後、ワールドカップを制すること3度。20年近くもKINGとして君臨した。1956年から1974年まで在籍したサントスでは1118試合に出場し、1087ゴール。1975年から2シーズンは、サッカー不毛の地と呼ばれた米国のニューヨーク・コスモスでプレーし、68得点した。

写真:Action Images/アフロ

 3度ワールドカップを制した功績もさることながら、ペレは気品を持ち合わせていた。引退後に大学で学び直した足跡や、英語をマスターした点など、ピッチ内のみならず、次世代の選手たちに一流アスリートの在り方を示した。そして、サッカーの美しさをとことん教えてくれた人だった。

写真:アフロ

 つい数時間前、ポルトアレグレに住むブラジル人の友人から「とても悲しくて、今の気持ちを言葉に出来ない」と連絡があった。

 Rest in peace、Pelé, The Undisputed King of Soccer.

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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