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12戦全勝9KOでWBAインターナショナル、ミドル級王者となったサウスポー

林壮一ノンフィクションライター
撮影 筆者

 サウル・"カネロ"・アルバレスvs.ゲンナジー・ゴロフキン3のアンダーカードには、WBAインターナショナル、ミドル級空位決定戦も組まれた。11戦全勝9KOのサウスポー、オースティン・ウィリアムズと、18勝(4KO)2敗1分けケーロン・コンウェイ(英国)は共に26歳。

 ウィリアムズがオープニングベルから積極的に手を出す。上下に左ストレートを打ち分け、ペースを掴んだ。この戦績は伊達ではなかった。

 コンウェイは、ウィリアムズの攻撃を持て余し、後手に回ってしまう。徐々にウィリアムズの独壇場となった。

 ウィリアムズは、183cmの身長よりも15cm長いリーチを生かして休まずに多彩な攻めを見せる。時折、コンウェイの右を浴びはしたが、フットワークは衰えず、伸びのあるストレートの合間に繰り出す右フックも鋭かった。

W撮影 筆者  前日計量時から勝利を確信していたのか、笑顔を見せるウィリアムズ(左)
W撮影 筆者  前日計量時から勝利を確信していたのか、笑顔を見せるウィリアムズ(左)

 第9ラウンド、顔面を狙ったウィリアムズの右アッパーでコンウェイがダウン。両者の実力差は大きかった。

 97-92、97-92、96-93の採点でウィリアムズがベルトを手にした。とはいえ、この相手なら仕留め切りたいところだ。今後、さらなる上に辿り着けるか。次戦に期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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