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デビュー以来17連勝(11KO)を飾ったWBCスーパーフライ級チャンプ

林壮一ノンフィクションライター
撮影 筆者

 サウル・"カネロ"・アルバレスvs.ゲンナジー・ゴロフキン3のセミファイナルに組まれたWBCスーパーフライ級タイトルマッチ。16戦全勝11KOの王者、ジェシー・ロドリゲスに、28勝(11KO)4敗1引き分けのイスラエル・ゴンザレスが挑んだ一戦は、118-109、117-110、114-113と3-0のスコアでチャンピオンが同タイトル2度目の防衛に成功した。

 22歳のチャンピオンの国籍はアメリカ合衆国。生まれも育ちも現在の住居も、テキサス州サンアントニオだ。一方、25歳の挑戦者は、メキシコからやって来ていた。

 両者は、初回からクロスレンジでの打ち合いを見せる。サウスポー王者の、顎への右アッパーが光った。3回、ゴンザレスのパンチが見えてきたロドリゲスが距離を詰める。リズムをとってチャレンジャーの懐に入っての右アッパーが有効的に決まり、流れを掴んだ。

 4、5ラウンドは、より差が開き、ロドリゲスのディフェンスにゴンザレスは為す術がない。チャンピオンは、6回にも2つのジャブから顎へアッパーをヒットした。

 だが、第8回ラウンド、チャンピオンはローブロー2回で減点を告げられる。11回にもまたローブローを放ち、挑戦者が座り込む。

 ロドリゲスは、大舞台で自身の価値を示したかったであろう。再三のローブローはマイナスに響いた。

撮影 筆者
撮影 筆者

 「予想以上にタフなファイトだった。自分のやりたいようなパフォーマンスができなかった。でも、これもボクシングの一部だ。ローブローは意図的に打ったものじゃない」

 2022年に入ってから既に3試合をこなしているジェシー・ロドリゲス。既に「12月3日に次戦を」というオファーを受けているそうだ。

 ハイペースで試合をこなす若きチャンプに、日本期待の中谷潤人が挑むのも魅力的なカードとなりそうだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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