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36歳で夭逝したストライカー

林壮一ノンフィクションライター
(写真:アフロスポーツ)

 2006年、1ー0でFCバルセロナを下してクラブワールドカップを制したSCインテルナシオナル(ブラジル)。当時のキャプテンは身長190cmのセンターフォワード、フェルナンドンだった。

写真:アフロ

 1キャップではあるが、ブラジル代表にも選出され、2006年はSCインテルナシオナルを牽引した。横浜で催されたFCバルセロナ戦では、相手のエースであるロナウジーニョとのライバル対決が注目を浴びた。

 南米王者とは言え、世界的にはビッグネームではなかったSCインテルナシオナルに勝利をもたらしたのは、フェルナンドンのキャプテンシーによるものが大きかった。

写真:ロイター/アフロ

 その彼は、2011年に引退し、翌シーズンに同チームの監督に就任するが半年足らずで解任されている。

 そして2014年6月7日、フェルナンドンを含め5名を乗せたヘリコプターが墜落事故を起こし、36歳で永眠した。

撮影:筆者
撮影:筆者

 今日、SCインテルナシオナルのホーム・スタディアム「ベイラ・リオ」には、フェルナンドンの銅像が建てられている。彼は故郷であるゴイアス州ゴイアニアのゴイアスECでプロ生活をスタートさせた。その後、マルセイユを経てSCインテルナシオナルの一員となっている。

 SCインテルナシオナルのユニフォームを身に纏っていたのは2004年から2008年まで。その間に、リベルタドーレス杯、クラブワールドカップで勝利した。

 銅像を目にする人の胸に、彼の足跡がいつまでも刻まれることを祈りたい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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