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3階級制覇王者、4年3カ月ぶりのカムバック

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 バンタムからフェザーまで世界タイトル3階級を制したアブネル・マレス(36)。既にSHOWTIMEでコメンテーターとして働き始めているマレスが、9月4日にカムバックする。

 これまでの戦績は31勝(15KO)3敗1分け。対戦相手は、25勝(12KO)4敗のミゲル・フローレス(30)となった。

 2011年にIBFバンタム級、翌年WBCスーパーバンタム級、 2013年にWBCフェザー級タイトルを獲得と、デビューから無敗のまま駆け上がったマレスだが、WBCフェザー級の初防衛に失敗。ファーストラウンドに2度倒されてのKO負けだった。

 2016年12月10日にWBAフェザー級タイトルを奪取し、自身4度目の王座に就くが、その前後にレオ・サンタ・クルスと2度対戦し、共に判定負け。今回は、2018年6月9日に行われたクルス第2戦以来のファイトとなる。

レオ・サンタ・クルスとは相性が悪く、2戦2敗
レオ・サンタ・クルスとは相性が悪く、2戦2敗写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 マレスは言う。

 「長いこと待たせたね。ずっと私を信じてくれていた皆さんに、心から感謝します。精神的に参っていた時期もあったけれど、こうして再起戦が決まって、とても幸せだ。

 36歳になったけれど、自分の感覚では26だね。毎日ジムで汗を流し、自信満々だよ。素晴らしいカムバックになると思う。ボクシングはエンターテイメントだから、見る人を喜ばせなきゃね。そういうファイトをお見せしますよ。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 自分のホームタウンであるロスで戦いたかった。この地には、本当に様々な思い出がある。クリプトドットコム・アリーナで戦えることを、実に光栄に感じる。

 ミゲル・フローレスは簡単な相手じゃない。あのレオ・サンタ・クルスを苦しめたんだからね。つまり、今回のカムバックは厳しい戦いになる。でも、ベテランの意地を見せてやるさ。いくら望んだって、なかなかこんな機会は与えられないからさ。

 スパーリングを開始して、どんどん調子が上がっている。モチベーションもだ。自分へのプレッシャーはかけないように、練習の全てを当日のリングで発揮するよ」

クルスvs.マレスは2試合ともステープルス・センターで催された
クルスvs.マレスは2試合ともステープルス・センターで催された写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 マレスがクリプトドットコム・アリーナのリングに上がるのは、今回が6度目である。ただ、前回までこの会場は「ステープルス・センター」と呼ばれていた。同アリーナは7億ドルの譲渡金を受け取り、名を変えたのだ。

 マレスも触れていたが、対戦相手のフローレスは2019年11月23日にレオ・サンタ・クルスの持つWBAスーパーフェザー級タイトルに挑み、判定負けを喫している。

 9月4日は、クルスに敗れた者同士の戦いでもある。3階級制覇王者は、カムバックを勝利で飾れるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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