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「必ず世界を獲る」と太鼓判を押された日本チャンピオンの8戦目

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者  角海老宝石ジムの飯村樹輝弥とスパーリングする銀次朗(右)

 高校時代に5冠を達成し、プロデビュー前から渡辺均・ワタナベジム会長に「必ず世界王座に就ける素材。我がジムから生まれたこれまでの世界王者たちと比較しても、才能は申し分ない。どうやってキャリアを積ませるかです」と言われていた重岡銀次朗(22)。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20190418-00122579

 WBOアジアパシフィックミニマム級タイトルを2度防衛した後に返上。2022年3月27日に日本同級王座に就いた。目下、7戦全勝5KO。

 来る7月6日に、故郷、熊本で日本タイトル初防衛戦を迎える。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「WBOミニマム級王者はウチの谷口将隆ですから、WBA、WBC、IBFで王座を狙わせるために、日本タイトルを獲らせました。今、銀次朗はWBC1位。指名挑戦者として、年内に世界挑戦させたいですね。海外での挑戦になったとしても、やってくれると信じています」(渡辺均会長)

撮影:筆者
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 銀次朗は言う。

 「3月の日本タイトルマッチは、相手がまったく出てこなかったので、やり難かったです。今回の挑戦者、春口直也はその試合を観戦に来ていました。そして勝算ありと、自分に挑戦してきた訳です。舐められたもんですよね。格の違いを見せてKOしてやりますよ」

撮影:筆者
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 WBC1位及び日本チャンピオンとして生まれ育った地のリングに立つことについて、銀次朗は語った。

 「地元の友人たちが見に来てくれるんですよ。ボクシング仲間ではなく、中高時代のクラスメイトが圧倒的です。僕の試合を楽しんでほしいですね。

 今回は足を使うことと、打ち終わりに相手のパンチをもらわないことをテーマに練習してきました。初回からジャブを散らして、ステップワークも使って、的確に攻めていきたいと考えています。5回までには沈めたいです」

 銀次朗を指導する町田主計(ちから)トレーナーも話す。

 「多彩なジャブを使うこと、また、出入りの速いボクシングをテーマに合計で75ラウンドのスパーを予定しています。銀次朗と春口直也ではスピードが違いますよ。ジャブで主導権を握って、ボディも効かせて削り、5~7回でフィニッシュする展開を思い描いています」

撮影:筆者
撮影:筆者

 日本ミニマム級王者は今回、新品のリングシューズを履いて故郷に錦を飾る。自身の名前通り、銀色のラインだ。

 「予想以上に格好いい出来上がりです。色んな所で使いまくりたいですよ。世界もこれで獲りたいですね」(銀次朗)

 7月6日、銀次朗はどんなファイトを見せるか。WBCからの指令、そして王者との交渉が上手くまとまれば、この一戦が世界タイトル前哨戦となる可能性も大いにあり得る。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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