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五輪金メダリストの父を持つ5戦全勝5KOのサウスポーが今週末リングに上がる

林壮一ノンフィクションライター
(C)MJS Entertainment

 キューバのトップアマとして米国に亡命し、2019年8月31日のプロデビュー以来、5戦全勝5KOで頂点を目指している24歳のヨエルビス・ゴメス。モスクワ五輪で金メダルを獲得したホセ・ゴメス・ムステリエを父に持つサラブレッドだ。

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 ゴメスは現在、ネバダ州ラスベガスに住み、日本でもお馴染みのイスマエル・サラスのジムで汗を流している。ニックネームはダイヤモンドの意味である「La Joya」。

 物心ついた時には、既にボクシングジムが生活の一部となっていたというが、当然のことながら父と比較されながら育った。そのプレッシャーに何度も潰されそうになっている。

 ヨエルビスはキューバ国内では結果を出せたものの、アマチュア界で世界に名の知れた存在にはなれなかった。

 「とにかく、父の子である重圧が苦しかったですね。父のサポートを受けていたから、尚更です。アマで200戦くらいしましたが、自分はプロ向きなんじゃないかと考えるようになりました。大きな夢を抱いてアメリカに渡り、プロに転向したんです」

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 ゴメスに興味を示すSHOWTIMEが売り出しに一役買っていることから、キューバ人サウスポーはスーパーウエルター級4冠戦をじっくりと目にした。統一王者となったジャーメル・チャーロへの挑戦を熱望する。

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 まずは今週末のホルヘ・コタ戦をクリアしなければならないゴメスは、語った。

 「コタは非常に危険な相手です。経験豊富ですよね。ただ、僕も自分の能力を駆使し、印象に残る勝ち方をします。自分がKO勝ちするので、最終ラウンドまではいかないでしょう。

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 サラスとのキャンプは非常に上手く運んでいます。トップ選手を何人も育てた知識のあるコーチですし、彼のジムには世界中から素晴らしい選手が集まりますから、これ以上ない環境で質の高いスパーリングを重ねました。ゲームプラン通りに戦いますよ」

 ゴメスはスーパーウエルター級で、注目の男となれるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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