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間もなくゴング! WBA/WBC/IBF/WBOスーパーウエルター級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME

 ついに今日、スーパーウエルター級主要4団体のベルトが束ねられる。

 WBA/WBC/IBFスーパーウエルター級チャンプのジャーメル・チャーロは152.75パウンドで、対するWBO同級王者のブライアン・カスターニョは153.75パウンドで、前日計量をパスした。

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 彼らは昨年7月17日に拳を交えたが、117-111でチャーロ、114-113でカスターニョ、そして114-114と、ジャッジが三者三様の見解を述べ、ドローに終わっている。今夜こそ、決着がつくであろう。

2021年7月17日の第1戦  (C)Amanda Westcott/SHOWTIME
2021年7月17日の第1戦  (C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 試合2日前に催された最終記者会見は「アメリカ合衆国vs.アルゼンチン」の色が濃く、両者共に、国の威信を懸けて戦う!といった雰囲気となった。

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 その折、WBA/WBC/IBF3冠王者は言った。

 「ベストなジャーメル・チャーロを披露し、野郎を圧倒しなきゃな。前回の俺とは別人であることを、たっぷりと思い知らせてやるよ。

 カスターニョは毎回毎回、何も変わらない選手だ。俺はどんな試合からも学習しているぜ。そこにファイターとしての差があるんだ。自分の能力をフルに発揮するよ。かつての俺よりも強く、賢くなっている自負がある。準備期間を与えてくれたカスターニョには感謝している。俺は自分の原点を忘れたことは無い。

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 前回の試合以降、本当にハードなトレーニングを積んできた。ヤツを倒す為にだ。仕留め切れなかったことが、第1戦における唯一のミスだ。俺は基本的に、相手を眠らせるタイプなのにな。ただ、失敗を肝に銘じてやってきた。俺にはパワーもスピードもある。ヤツにダメージを与え、早目に終わらせるよ!」

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 一方、アルゼンチンの期待の星、WBOチャンピオンも語った。

 「私はどんな試合でも、常に真剣に自分と向き合って調整してきました。今回も、ファンの冀求以上の戦いをする事を約束します。前回の試合は、チャーロが生まれ育ったテキサス州でのファイトでしたから、ああいう判定になったのでしょう。今でも、自分が勝利したと感じています。カリフォルニア州での試合となる今回は、より中立な環境だと信じます。

 ラテンのファンの前で戦えるのは嬉しいですね。チャーロがトップ選手の一人であることは認めますが、私を倒せる程の男ではないですよ。

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 第1戦の収穫は、ガードを高くすることの重要性を学習した点です。ここ数年間で最高の状態ですよ。ところで、チャーロは何をナーバスになっているんでしょうね。何とでもほざけばいい。対戦相手へのリスペクトを欠いていますよね。彼が私をKOしたいということを踏まえた上で戦います。

 チャーロより私が優秀な要素は、一つじゃないんです。私はどんな相手にも合わせた戦い方ができます。単に勝利する以上のものをお見せしますよ。

 前回の試合で勝利できなかったことが、モチベーションとなっています。誰からも疑われない明確な形で、統一王者となってリングを降りますよ」

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 再戦は当初、3月19日に予定されていたが、カスターニョがキャンプ中のスパーリングで右上腕を痛めておよそ2か月間延期された。

 チャーロは世界タイトルを戦うようになってからは勿論のこと、2011年6月以来、最も体を絞り上げた。その効果はどう出るか? 個人的には、WBO王者の右腕の回復ぶりが気になるが、4冠戦らしいファイトを期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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