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アルゼンチン人コーチが語る「今回の代表メンバー」

林壮一ノンフィクションライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、チェンマイ・ユナイテッド(タイ1部リーグ)所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 2019年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、今日、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとして指揮を執る彼が、明日のベトナム戦、16日のオマーン戦に招集された日本代表メンバーについて語った。

撮影:著者
撮影:著者

 11月4日に日本サッカー協会が発表した今回の日本代表は以下の顔ぶれである。

GK

川島永嗣(RCストラスブール/フランス)

権田修一(清水エスパルス)

谷晃生(湘南ベルマーレ)

DF

長友佑都(FC東京)

吉田麻也(サンプドリア/イタリア)

酒井宏樹(浦和レッズ)

谷口彰悟(川崎フロンターレ)

山根視来(川崎フロンターレ)

室屋成(ハノーファー96/ドイツ)

板倉滉(シャルケ04/ドイツ)

中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)

旗手怜央(川崎フロンターレ)

冨安健洋(アーセナル/イングランド)

MF/FW

大迫勇也(ヴィッセル神戸)

原口元気(1.FCウニオン・ベルリン/ドイツ)

柴崎岳(CDレガネス/スペイン)

遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)

伊東純也(KRCヘンク/ベルギー)

浅野拓磨(VfLボーフム/ドイツ)

南野拓実(リバプールFC/イングランド)

古橋亨梧(セルティック/スコットランド)

守田英正(CDサンタ・クララ/ポルトガル)

鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)

三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー)

前田大然(横浜F・マリノス)

上田綺世(鹿島アントラーズ)

田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)

堂安律(PSV/オランダ)

写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 「僕はこれまでに何度も、Jリーグで断トツの強さを見せていた川崎フロンターレの選手をもっと代表に入れるべきだ、と主張して来ました。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211007-00261250

 フロンターレが2連覇し、森保一監督もやっと、そういう気持ちになったようですね。DFに3名が入り、守田、三笘、田中と川崎育ちでヨーロッパに移籍した選手がいれば、息の合うプレーが見られるように思います。

 谷口、山根、旗手にも、絶対に出場機会を与えてほしいと願っています。

 また、ゲームを作る家長昭博、最前線の小林悠も呼ぶべきです。正直、今の日本代表の攻撃は何をやりたいのかさっぱり分かりません。何回見ても、蹴るサッカーなのか、繋ぐのか、パスで崩すのか、サイドから抉るのか……国としてのアイデンティティーがピッチから伝わらない。

写真:長田洋平/アフロスポーツ

 家長はベテランですが、視野が広くてサイドチェンジが出来るし、スルーパスも出せる。彼が中盤にいることで、バリエーションが増えます。それは今季のJリーグを見ていれば一目瞭然ですよ。

 そして、小林は少ないチャンスに決定的な仕事をします。しっかりした技術があるからです。

今年の9/2日本代表はオマーンに0-1で敗れた
今年の9/2日本代表はオマーンに0-1で敗れた写真:森田直樹/アフロスポーツ

 オマーンにはホームで0-1で負けた。16日、オマーンは引いて守るでしょう。

 そういう展開になった時、細かいドリブルで崩し、変化を付けられる選手がどうしても必要です。原口元気ともう一人ほしい。だから僕は家長を推します。

 まぁ、もう発表後ですから仕方ないんですがね……。

 今回、2試合とも勝利しなければカタールワールドカップは遠のいてしまいます。課題は山積みに見えますが、是非とも頑張ってほしいですね」

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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