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アルゼンチン人コーチが語るクリスティアーノ・ロナウド

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、チェンマイ・ユナイテッド(タイ1部リーグ)所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 2019年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、今日、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとして指揮を執る彼が、12年ぶりにマンチェスター・ユナイテッドのユニフォームを身に纏うクリスティアーノ・ロナウドについて語った。

撮影:著者
撮影:著者

 クリスティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッド復帰戦は見事でしたね。ニューカッスル戦(11日)でいきなりの2得点。流石です。彼の存在自体が、世界中のサッカーのレベルを上げているように感じます。

写真:ロイター/アフロ

 今月1日に行われたカタールW杯ヨーロッパ予選、グループAのポルトガル対アイルランド戦でも、クリスティアーノ・ロナウドは決定的な仕事をしましたよね。PKを外しながらも、終了間際にヘディングで2点を叩き込んで2-1の逆転勝ち。その勝負強さは、素晴らしいとしか言い様がありません。

写真:ロイター/アフロ

 36歳ですが、衰えなど微塵も見せませんね。今回、彼が自分のキャリアを爆発させたマンチェスター・ユナイテッドに加入したことは、ベストな選択だと言えるでしょう。

写真:ロイター/アフロ

 今日、冷静にヨーロッパの4大リーグを見詰めると、セリエAよりもプレミアリーグの方がレベルが高いと僕は感じます。自身がスターとなった場所で、もう一度ファンを喜ばすのは、スーパースターの証ですよ。

写真:ロイター/アフロ

 クリスティアーノ・ロナウドはケガが少ないですよね。身体能力が高いのはもちろんですが、努力も並じゃないです。アイルランド戦でユニフォームを脱ぎましたが、相変わらず洗濯板みたいな腹だったでしょう。どれだけのことを乗り越えているかを物語っていますね。

写真:ロイター/アフロ

 炭酸など飲まないし、体に悪いものも食べない。とにかくサッカーのことを第一に考えている。プロフェッショナルのお手本ですよ。

 クリスティアーノ・ロナウドがマンチェスター・ユナイテッドに復帰することを知ったウルグアイ代表のエディンソン・カバーニが、背番号7を彼に譲りましたよね。カバーニはクリスティアーノ・ロナウドよりも2つ年下。心から尊敬していると聞いています。カバーニはクリスティアーノ・ロナウドの傍にいることで、学ぶことが無数にあるでしょう。

カバーニは背番号21に。
カバーニは背番号21に。写真:ムツ・カワモリ/アフロ

 メッシはパリ・サンジェルマンで30番をつけることになりましたが、アルゼンチン人にしてみたら、遠慮しないで10を着ろよ! という思いです。

 クリスティアーノ・ロナウドには、愛する7番への拘りやプライドを、ピッチの上で思い切り見せてほしいですね。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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