決着がつかなかった統一スーパーウエルター級タイトルマッチ
現地時間17日に行われたWBA/WBC/IBFスーパーウエルター級チャンピオン、ジャーメル・チャーロvs.WBO王者、ブライアン・カルロス・カスターノ戦は、3者3様のドローに終わった。
初回からチャーロはカスターノを見過ぎ、手数が少なかった。2回、WBO王者はカウンターの左フックを浴び、よろめく。この攻撃に手応えを感じたのか、チャーロは以後、徹底してカウンターを狙う。
続く3回は、回復したカスターノが左フックを当て、チャンスを掴む。しかし、全体的にはWBO王者も踏み込みが甘く、決定的なダメージを与えられないままラウンドが進んだ。
CompuBoxのデータによれば、チャーロは533発のパンチを繰り出し、28.3%にあたる151発をヒット。カスターノのそれは586分の173で、29.5%。3団体王者は246のパワーパンチを振るい、39.8%の98発を当てた。WBOチャンプは400分の164と41%が相手を捉えた。
1人のジャッジが117-111チャーロ、別の1人が114-113でカスターノ、残る一人は114-114でドローとなった。
WBA/WBC/IBFチャンピオンの戦績は34勝(18KO)1敗1分け、カスターノは17勝(12KO)2分けとなった。
10ラウンドに大きなチャンスを掴んだチャーロは、試合後に言った。
「俺が勝っただろう。ヤツ以上に、俺の方が相手にダメージを与えた。カスターノは本物だ。何発ものパンチを打って来た。でも、この階級では俺のパワーの方がモノを言うさ。
コーチに『9ラウンドで仕留めろ』と言われたんだ。彼を信頼しているから、そうしなければと思ったよ。この試合をやれたことは光栄だが、やはり統一王者を目指すよ。それが俺の使命だと感じている」
一方のカスターノも話した。
「素晴らしい機会をくれたサンアントニオにも、SHOWTIMEにも、心からお礼を言う。10回にピンチに陥ったが、その埋め合わせはできていた筈だ。自分は勝ったよ。チャーロは偉大な選手だ。リマッチを希望する。必ず組んでほしい」
間違いなくリターンマッチが決まるであろう。私が今回のファイトを見て思い出すのは、1999年3月に催されたWBA/IBFヘビー級王者のイベンダー・ホリフィールドと、WBC同級王者だったレノックス・ルイスの統一戦だ。
両者共に決め手に欠け、試合の山場も無く、盛り上がらないまま3者3様のドローとなった。が、8カ月後の再戦ではルイスが3-0で判定勝ちを収めた。
1999年と違い、今日のボクシング界は主要団体にWBOが加わり4つとなった。スーパーウエルター級の統一王者が年内に誕生することを期待したい。