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お騒がせ男ルイス・ネリ、15日にスーパーバンタム級統一戦

林壮一ノンフィクションライター
(写真:REX/アフロ)

 来る15日、WBAスーパーバンタム級チャンピオン、ブランドン・フィゲロア(24)との統一戦を控えるWBC同級王者、ルイス・ネリ(26)がメディア取材に応じた。

 体重オーバーを繰り返しながらも2階級を制し、ボクシング界で生き延びるネリ。この類の男に大舞台が用意されてしまうのは、違和感を覚えざるを得ない。

 21勝(16KO)無敗1分けのフィゲロアに対し、ネリは31戦全勝24KO。

2019年7月20日のパヤノ戦
2019年7月20日のパヤノ戦写真:REX/アフロ

 ネリは今回、SHOWTIMEで放映されるファイトで、初のメインイベンターを務める。メキシコ、ティファナでキャンプ中のお騒がせ男が口を開いた。

 「俺は今、底辺にいる。フィゲロアは危険な存在だ。自分のキャリアにおいて、脅威だよ。

 今回のキャンプは、これまでと様々な点が違うんだ。フィゲロアによく似たタイプの選手とのスパーを重ねている。いい練習が出来ているよ。ティファナの若手は、その辺のビッグネームよりタフで、強いからな。

 ノックアウトを意識して準備している。勝利に向かう作業を楽しんでいるところだ。試合終了まで、考え過ぎないようにしたいね。ジャッジがどんな判断をしようが、逃げず、自分の能力を失わずに戦う。自分らしくアグレッシブに動いて勝つさ」

ネリの対戦相手であるWBAスーパーバンタム級チャンピオン、ブランドン・フィゲロア
ネリの対戦相手であるWBAスーパーバンタム級チャンピオン、ブランドン・フィゲロア写真:REX/アフロ

 「フィゲロアには敬意を払うが、リングでの俺は、無作法極まりない男となる。おそらく、彼が感じたことの無いレベルの野蛮な人間になるだろう。勝つためには、相手を尊敬する気持ちを捨てねばならない。

 フィゲロアはルックスが良く、セックスシンボルかもしれない。でも、顔がいいとか醜いとか、リングでは関係のないことさ。彼は183センチと長いリーチを持っている(ネリは169センチ)が、そういうタイプとの対戦はこれまでにもあった。経験を活かして対処するよ」

WBO王者のステファン・フルトン  Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
WBO王者のステファン・フルトン  Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 15日の勝者は、9月11日にWBO同級チャンプのステファン・フルトンとの統一戦が内定している。当日は、フルトンもリングサイドにやってくる。

 「今はフィゲロアをぶっ倒すことしか頭に無いので、フルトンの事までは考えられない。ヤツはおしゃべりだっていう印象くらいだな」

 ネリは今回、きちんと122パウンドの体を作れるだろうか。栄光の座が似合う人間ではない。どこかでボクシングの厳しさを味わうことが、この男には必要だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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