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デビューから11連勝を飾ったスーパーライト級の注目株

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 FOX TVが売り出すスーパーライト級のオマー・フォアレスがエリアス・アラウホーを判定で下し、デビュー以来11連勝を飾った。

 テキサス州出身のヒスパニック・アメリカン、フォアレスと、アルゼンチン人であるアラウホーは、10ラウンド、フルに至近距離で打ち合った。

Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions
Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 序盤からアラウホーが距離を詰め、フォアレスに打ち合いを挑む。フォアレスも喜んでそれに応じ、力のこもったパンチを振るった。フォアレスは上下に打ち分けることを忘れず、効果的なボディーブローも見舞っていった。

 パンチの種類、角度、正確さで上回る21歳は、アルゼンチンからやって来た33歳に差をつけていく。

Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions
Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 この日、初めてとなる10回戦を経験したフォアレスだが、未知なるラウンドとなった9回以降も、自分のボクシングを崩さない。633のパンチを放ち、そのうちの226をヒットさせた。226のうち、ボディーへのパンチは68を数えた。

 アラウホーは、779のパンチ中142を当てたものの、クリーンヒット率18.2%では勝利を掴むのは厳しい。フォアレスのそれは、35.7%であった。

 結局、99-91、99-91、98-92とワンサイドでフォアレスが白星を挙げた。

Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions
Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 試合後、フォアレスは言った。

 「自分はコーチ陣から、『リングではどんな状況でも冷静でいなければならない』と教わって来た。だから、落ち着きこそが成功の鍵だと理解している。今日はいつも以上に自信があった。今、試合ごとに己の成長を感じる。

 10ラウンド以上も戦えるように思う。1週間休んだら、友人であるマリオ・バリオス(WBAスーパーライト級チャンプ)と共に練習を再開する」

 今回の勝利でフォアレスは、自身の戦績を11戦全勝5KO、アラウホーは21勝8KO3敗とした。

 フォアレスはマリオ・バリオスとのスパーリングを重ねているようだが、いずれ試合で対戦……ということにはならないか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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