間も無くゴング! 元WBCスーパーウエルター級王者が再起戦
2019年12月21日、ジャーメル・チャーロに第11ラウンド2分8秒でKO負けしたトニー・ハリソン。
WBCスーパーウエルター級タイトルを、ダイレクトリマッチで失ったハリソンが、今日、復帰戦のリングに上がる。
元チャンピオンは試合2日前に行われたZoom会見で、非常にリラックスした表情で言った。
「我々のチームは、試合の日を楽しみにしている。素晴らしいファイトになるだろうし、自分の強さ、勝ち方をアピールしたいね。
俺自身がブライアント・ペレーラを再起戦の相手に選んだ訳じゃない。個人的には、もっと負けの込んだヤツにした方が楽だと感じたよ。ペレーラはウエルターから増量し、この一戦を大きな挑戦としている。その心意気に応えようと今は思う。かなりの練習を積んだようだし、自信を持っているよね」
「亡くなった父は、俺にボクシングが何たるかを教えてくれた。最高のトレーナーだった。父の死後、自分の良さを引き出してくれるトレーナーが必要になった。
父の代わりを今度は兄のLJが務める。彼は俺をよく理解しているし、バスケットボールのポイントガードとして活躍した男だから、戦況を見詰めることに長けているんだ。きっと、俺を成功に導いてくれるさ」
「強い気持ちを持ち続けて戦うよ。16ヵ月もブランクを作ってしまったから、最初のスパーリングでは、それがやや欠けていたかな。でも、キャンプを打ち上げた時には、かつての自分よりも成長していることを感じた。以前はモチベーションを保つのに苦労したが、もう万全さ。
ファンの誰もが、俺とジャーメル・チャーロの第3戦を見たいだろう。次は勝てると信じている。でも、今はペレーラ戦に集中しなきゃね。彼も必死に勝利を掴もうとするだろうから」
「今、スーパーウエルター級がボクシング界で一番面白いんじゃないかな。世界ランカーを見渡しても、いい選手がそろっている。魅力的なカードが目白押しだよね。
ペレーラも新しいトレーナーであるロイ・ジョーンズ・ジュニアと汗を流して来たよね。お互いにパンチ力があるし、いい試合になるだろう。まぁ、王者が帰って来たんだ。レフェリーストップになるか、ロイ・ジョーンズ・ジュニアがタオルを投げるか、いずれにしてもKO決着になるよ」
一方、17勝(14KO)3敗のブライアント・ペレーラも話した。
「ロイ・ジョーンズ・ジュニアのお陰で、素晴らしいキャンプをおくることが出来ました。彼は本当に引き出しが多く、自分も知識、経験を得られたんです。メニューもかつて味わったことの無いハードなものでした。プラス、内容のあるスパーリングをこなせました。ロイがいてくれたので、自分は強くなったし、パワーも増したし、スピードもついた実感があります。
トニーはチャンピオンでしたから、僕にはチャンスが無い、絶対に勝てないと語る人が多いです。が、戦うのは僕です。自分にとって、大きなチャンスですから、必ず生かしてみせますよ。100%の自分を創りましたから、勝負ですね。彼を倒せば、未来が開けるでしょう。そう思うとモチベーションが上がります。
KOだろうが判定だろうが、試合後に勝者として腕が上がるのは僕です。その光景が今から目に浮かびますよ。自分の能力を示し、壮美な未来を築いてみせます」
ゴングまであと半日。女神はどちらに微笑むだろうか。