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元WBAスーパーフェザー級王者、ハビエル・フォルトゥナが1年ぶりのファイトで6回KO勝ち

林壮一ノンフィクションライター
PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 11月21日、元WBAスーパーフェザー級王者のドミニカ人、ハビエル・フォルトゥナがLA、ステイプルスセンターでライト級10回戦に出場した。

 フォルトゥナは、2015年5月29日に空位だったWBAスーパーフェザー級タイトルの決定戦に勝利し、ベルトを巻いた。2度目の防衛戦を北京で行い、11ラウンド45秒でKO負けして王座から陥落。

 2018年1月20日にはIBFライト級王座に挑戦するも判定負けし、世界戦線から脱落しつつあった。昨年11月2日にWBCコンチネンタルアメリカ、ライト級タイトルを獲得して以来のファイトだった。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 対戦相手のアントニオ・ロザダは40勝(34KO)5敗1引き分けと、そこそこのKO率を誇っていたが、まったくの咬ませ犬。

 試合開始のゴングから暫くの間、フォルトゥナはロザダの動きを観察していたが、自身との間に大きな差があることを理解すると猛攻をかける。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 1分25秒過ぎから左のロングフックを中心に、フォルトゥナのパンチが的確にロザダを捉える。最初のダウンは1分50秒。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 が、元世界王者はKOを狙い過ぎるあまり、左右のフックを大振りするようになる。ジャブからの組み立てが極端に減る。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 4、5ラウンド、フォルトゥナは遠目からジャブを放ち、ペースダウンするも第6ラウンドはハッキリと獲物を仕留めに行く。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 祖国ドミニカからアメリカに渡り、マサチューセッツ州を主戦場とする30歳のフォルトゥナは、コーナーにロザダを追い詰めると連打を見せ、同ラウンド2分34秒でレフェリーが試合を止めた。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 勝者は戦績を36勝(25KO)2敗1引き分けとした。

 CompuBoxが弾き出した数字によればフォルトゥナが放ったパンチの数は316。そのうちヒットは107。ロザダのそれは、292に対して僅か45であった。

PHOTO:Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 サウスポーの元世界王者は確かに貫録を見せた。だが、このクラスのトップ選手であるテオフィモ・ロペス・ジュニアやジャーボンテイ・デービスと比較すると実力は雲泥の差だ。

 ただ、コロナ禍においてステイプルスセンターでボクシング興行が催されたことを素直に喜びたい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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