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チャンプ田口良一が語る「来シーズンのNBAで期待の5選手」

林壮一ノンフィクションライター
新たな時代を築きそうなザイオン(写真:代表撮影/USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年12月10日に引退式を行い、リングに別れを告げた元WBA/IBFライトフライ級チャンピオンの田口良一。

 https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20191219-00155275/https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20191220-00155272/

 田口は小中学生時代にバスケットボールに打ち込んだ。世界王座に就いてからも「本音を言えばNBA選手になりたい!」と発言し、先輩王者である内山高志に苦笑されたことがある。

 NBAの大ファンである田口に、来シーズン期待の5選手を挙げてもらった。

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 田口の口から最初に発せられたのは、やはり、ニューオーリンズ・ペリカンズ所属の彼の名だった。

 「まず、挙げたいのはザイオン・ウィリアムソンですね。身体能力No.1の選手と思います。万全の状態だったら来季もっと凄くなりそうです!」

撮影:著者
撮影:著者

 「新人王は出場試合が少なくて取れなかったのも一つの要因と思いますが、個人的には体重をもっと絞ってもらって、垂直跳び130cmぐらいいって世界記録を更新してほしいです(笑)」

 https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200226-00164513/

撮影:著者
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 「2番目は、ラメロ・ボールですね。まだドラフト前の選手ですが、ボール兄弟の中で一番の才能と評されるラメロに期待します。バスケに限らず、兄弟で活躍する方達が多いのは、遺伝子もそうですが同じ環境でやってきたりライバル意識から飛躍するんでしょうね!」

 オーストラリアのプロリーグでキャリアを積んだボールを選択したところが、NBAフリークの田口らしい。

 「3人目は、ルカ・ドンチッチです。2年目で平均トリプルダブル級の活躍は、異次元だと思います。21歳で今後のNBAを引っ張っていく超超超天才!(笑)。僕は、個人スタッツが凄い人に魅力を感じるので、来季からシーズン平均トリプルダブルを4年連続でお願いしたいと思います(笑)」

 スロベニア出身のドンチッチは、先日Vを飾ったロスアンジェルス・レイカーズOBで、米国バスケ界のレジェンドであるマジック・ジョンソンが「是非、レイカーズに来て欲しい」と語った逸材だ。

 「4人目は、デニス・シュルーダーですね。髪型と表情が何か気になる選手です。2019年の国際強化試合、ドイツvs.日本戦で異彩を放っていましたね。『来季を期待していなさい』と言いながら、ニヒルな表情をしている顔が、僕の脳裏に思い浮かんだので、期待しないわけにはいきません(笑)」

 NBAで8シーズン目を迎えるポイントガードはシックスマンのイメージが強いが、来季、いかなる働きを見せるか。

 

 「5人目は、マイアミ・ヒートのタイラー・ヒーロー。顔繋がりといったらあれですが、プレイオフで見せたあのドヤ顔が、目に焼き付いています(笑)。半生の動画を見ましたが、かなり壮絶だったみたいで凄く応援したい選手となりました。

 地元ウィスコンシン大の推薦を蹴りケンタッキー大入学を決めると、故郷の人から恨まれ、自宅や車にスプレーで落書きされたり、殺害予告を受けたりしたんですよね。反骨の精神でがんばってほしいです!」

 いつしかヒーローは、嫌われ者である自分を楽しむようになっていく。 

 

 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ
写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 田口とは真逆のタイプだが、そんなヒーローを応援するチャンピオンの眼差しが印象的だ。

 さて、NBAファンの皆さんは、ボクシング界の名王者の意見をどのようにお聞きになるだろうか? 田口良一と一緒に応援するのも楽しいですぞ!

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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